派遣で仕事をする場合、「派遣会社への印象」と「職場見学の準備」が重要です。
バイト感覚で適当にやっていると、派遣会社から「なんか信用できないから仕事紹介できない」「別の人のほうが良さそう」という状態に陥ってしまいます。

実はこれ、スーはやらかした!人材業界に入り15年、「あー、よく採用されたな」って思う黒歴史。。
派遣は「派遣会社が雇用主」ということもあって、気をつけるべき点がいくつかあります。
この記事では、派遣に受からない理由と対策すべきことをご紹介。
これを読めば、「派遣で受かるためにすること」がクリアになりますよ。



人材業界に15年以上いる経験から、派遣に受かるコツを伝えるので、早く仕事を見つけたい方はぜひ最後まで読んでみてね。
なぜ「派遣の仕事に受からない」のか?


派遣の仕事を1社落ちたぐらいであれば、そこまで気にする必要はありません。
そもそも派遣の合格率は約30%と、そんなに高くないんです。
ただ次のようなケースが続くときは、対策を考えましょう。
- 仕事紹介がない
- 社内選考が通らない
- 職場見学・顔合わせで合格しない
それぞれ詳しく説明しますね。
「仕事紹介がない」理由
そもそも仕事紹介がない場合、次の3つの理由が考えられます。
- 派遣登録で落ちた可能性がある
- スキル・経歴と希望がアンバランス
- ブランクがある
詳しく解説しますね。
派遣登録で落ちた可能性がある
派遣登録会は、「派遣会社があなたを評価する場」なんです。
ここでいい印象を持たれなかった場合、仕事の紹介がありません。
派遣登録会は、職歴と仕事の希望を確認する場ですが、同時に人柄やマナー、コミュニケーション力をめちゃめちゃ見られます。



仕事紹介がどのくらいなかったら、登録会で落ちたって判断するの?



特に高い希望も出していないのに、1週間以上仕事の紹介がなかったら、落ちた可能性があるよ。次の派遣会社を探して、再チャレンジしよう!


スキル・経歴と希望がアンバランス
「スキルや経験があまりないのに高い時給を希望」「経験豊富な人しかできない仕事を要求」となると、派遣会社は仕事を紹介することができないんですね。
派遣も転職と同じで、能力・経験と時給は関連しています。



「派遣の相場がわからないよ」という場合は、派遣会社の担当に聞いてみるのもアリ!
ブランクがある
長いブランクがある場合、派遣会社の規模やエリアによっては、紹介できる仕事がなかったりします。
仕事の数より、仕事を希望する人があまりにも多いと、どうしても求人条件によりマッチした人が優先されちゃうんです。



派遣会社も売上に直結するから、より「決まりそうな人」を選ぶんだよ。
「社内選考が通らない」理由
仕事は紹介されることもあるし、応募したら社内選考までは行くんだけど、その先が全然進まないケースもありますよね。
社内選考が通らない裏事情を見てみましょう。
- 人気がある
- 条件を満たしていない
- 年齢オーバー
- スキルシートで不合格
人気がある
「時給が高い」「有名企業」「週3日5時間勤務」などは、応募もたくさんあって人気。
基本的に派遣先に紹介するのは1名なので、派遣会社の中で社内選考が行われ、より経験や業務が適した人、派遣先の雰囲気に合っている人が選ばれやすくなります。



紹介予定派遣は、複数人を紹介する場合もあるよ。この辺は、派遣会社の考え方かな。
条件を満たしていない
実は、派遣先が求めるスキル・経験を100%満たしていなくても、派遣会社は仕事を紹介してくることがあります。
60〜70%ぐらいマッチした人に声をかけて、受諾してくれた人の中から候補者を絞るんですね。
そこで負けちゃうことがあるんです。
年齢オーバー
派遣は、年齢や性別で差別してはいけないことになっています。
ただ、派遣先は年齢や性別など裏でリクエストしてるんですよ。(ほんとは違法なんですけどね)
応募しても、実は年齢オーバーや男性限定の案件だったり・・
年齢や性別を理由にお断りができないので、「社内選考で落ちた」「候補者がすでにいる」みたいな理由を伝えてきます。
スキルシートで不合格
社内選考が通った後は、スキルシートを派遣先に見せますが、そこで落ちている可能性も。
本来、派遣先が派遣社員を選ぶことはできません。けど実際は選んでいます。
派遣先がスキルシートを見て、「条件に少し足りない」「他社の派遣社員を優先したい」と判断。
職場見学をする前に「不採用」となってしまうワケです。
「顔合わせや職場見学後に断られる」理由
スキルシートが通っても職場見学や顔合わせで受からないケースもありますよね。
職場見学の合格率はだいたい30%ほど。(職種などでも大きく変わります)
ここでは、「落ち続けちゃう」理由にフォーカスして解説します。
- 面接対策ができていない
- 第一印象があまりよくなかった
- 実は派遣先の希望と合っていなかった
面接対策ができていない
職場見学や顔合わせという名前に安心してはいけません。
面接と思って対応する必要があるんです。とはいえ、バイト面接と思っちゃダメですよ。
- ビジネスマナーができていなかった
- 自分の職歴をちゃんと説明できない
- 仕事の内容をイマイチ理解していない
- 質問に対して的外れな回答
第一印象があまりよくなかった
こちらは、見た目の印象の話です。
初対面の場合、やっぱり第一印象にもっていかれちゃうんですね。約55%が見た目の印象で決まると言われています。
- 服装がビジネスライクじゃない
- 派手な髪型、ネイル
- 猫背で暗い印象
- 笑顔がなく、どことなく怖い
見た目で55%が決まるなら、ここを頑張る手もあります!
見た目チェックについては、「コーデ例あり【40代】派遣の職場見学・登録で損しない服装とは?」記事が参考になりますよ。



アイロンがかかったスーツとよれっとしたスーツだったら、ピシッと見える人のほうが仕事できそうでしょう?(見た目の話ね)
実は派遣先の希望と合っていなかった
これはあなたの責任ではないんですが、派遣先の要望とあなたのスキル・経験がマッチしていなくて落ちることもあるんです。それが、職場見学で発覚するという・・
派遣会社の聞き取りが甘いこともあれば、人事担当者が現場からちゃんとヒアリングできていない、現場担当者の派遣の依頼方法が雑だったなど・・
職場見学をしたのに「スキル・経験が合わなくて」でお断りが続く場合、派遣会社を変えたほうがいいです。



マッチングは派遣会社の責任。ここで手数料を取っているのだから、しっかり対応しているところを選ぼうね。
「落ちてばかり」の派遣|5つの対策


落ち続ける人向けの対策を5つご紹介しますね。
- 条件が合いそうな仕事を吟味する
- 妥協できる条件を検討する
- 職場見学は準備万端に
- 大量募集に応募する
- 登録する派遣会社を増やす
条件が合いそうな仕事を吟味する
「応募しても自動返信で断られる」という場合、人気があるか仕事の条件にマッチしていない可能性が高いです。
100%マッチしておく必要はないのですが、50%程度だと採用されにくいのも事実。
確かに「数撃ちゃ当たる」もあるんですが、もう少し吟味してみましょう。



どうやって見分ければいいの?



OAスキルや経験は、募集要項をよくチェックしてみて!あと、時給が高い仕事は人気あるよ。
ここでは、判断がつきにくい「年齢制限」についてポイントをご紹介します。
若い人を募集
年齢制限については、実は求人のキャッチコピーから分かっちゃうんですよ。
- 明るくて活気のある職場です
- 20代が活躍しています!
- 平均年齢は28歳です
- 新卒・第二新卒歓迎!



写真も要チェック。若い人ばかりの写真は、若者を欲しがっている事が多いよ。
40代以上の募集
派遣の募集は若者ばかりではありません。ミドル以上も募集がちゃんとあります。
- 40代が活躍中!
- 落ち着いた雰囲気の職場です
- 平均年齢は高めです
妥協できる条件を検討する
時給などの条件を優先するあまり、自分の経歴から外れた仕事に応募していないか、振り返ってみてください。
派遣にも「相場」があって、だいたい職種で決まっています。
そこに必須経験や語学力などの条件が入ってくると、時給は高くなる。
派遣会社は、派遣社員の経験やスキルを見て「紹介できる仕事は、●●●●円くらいになりそう」と判断しています。
緩和できる条件を探して、それを派遣会社に伝えてみてくださいね。



私の年齢と経歴、どのくらいの相場なんだろう・・



派遣会社の担当に聞いてみて。例えば「経理希望で○○エリアで働きたいけど、紹介可能ですか?時給相場ってどのくらいでしょうか?」みたいに。
職場見学は準備万端で
職場見学の対策はしっかりやっていますか?
「めんどくさいなぁ」と思うかもしれませんが、派遣はパートやバイトより採用率が低め。
正社員のように何回も面接するわけではないものの、1回の職場見学・顔合わせでしっかり見られています。
- 職歴をしっかり説明できるようにする
- 仕事をこなせることをアピール
- 逆質問で意欲を見せる
職場見学の詳しい対策については、「派遣の職場見学でされる質問とは?準備を5つのステップで解説」をご覧ください。



ここが良い仕事をゲットできる人とできない人の差とも言えるの。めんどうだけど、対策することで自分の希望に近い仕事に就けるよ!
大量募集に応募する
派遣の募集は通常1~3名が多いのですが、派遣会社が大型の仕事を受注した場合、10名以上の大量募集をかけることがあります。仕事によっては100名以上の募集になることも。
大量募集の場合、人をとにかく集める必要があり、また派遣先の研修体制や業務開始の都合から、条件がゆるくなるので、狙いどころです。
- 合格しやすい
- 仕事によっては、職場見学なしで採用
- 時給が低いことがある
- 期間限定だったりする
- 開始日とかの調整ができない
登録する派遣会社を増やす
「派遣登録で印象を悪くしたかも」「やりとりで少し感情的になっちゃったかも」という場合は、別の派遣会社への登録を進めましょう。
派遣会社は、自分の会社の社員として派遣社員を派遣します。
なので、「ちょっと信用できないなぁ」「言動に不安があるぞ」と思うと、派遣先でのトラブルを想定して、仕事紹介をあまりしてくれません。
印象を挽回するのって実はとても大変。
なので、別の派遣会社に切り替えたほうが早いですよ。



相性の良い派遣会社に登録するほうがいいよ。派遣登録で気をつけることについては、こちらの記事をみてみてね


「未経験」「ブランク」への対策


「事務の経験ないんだよね」「ブランクがあって不利かなぁ」といった事情別に対策を紹介します。
こちらに該当する人に共通してお伝えしたいのは、「複数の派遣会社に登録しておいてね!」です。
「未経験」の対策
派遣は意外と「未経験の業務にチャレンジ」のハードルが高いんです。(正社員ほどじゃないですよ)
「未経験」は幅が広いので、よくある状況別に説明しますね。
事務職になりたい20代
20代であれば比較的決定しやすいです。ただ、未経験の時給は相場よりどうしても低くなるので、経験を積むうちは少し我慢してみて。
経験を積んだなと思ったら、再び転職にチャレンジしましょう!
大手派遣会社が20代対象に事務職に限定した正社員型派遣を募集しているので、それにチャレンジしてもいいかも。
詳しく知りたい方は、「【徹底解説】20代は無期雇用派遣をやめとけと言われる7つの理由」をご覧ください。



半年ぐらい働いたら、そっと転職活動してみるのも手だよ。何年も経験を積む必要は、今は無い!
事務職になりたい40代以上
官公庁の仕事を狙ってみてください。年齢や経験を問わないことが多いです。
もしくは、パートなどで少し経験を付けてから、時給の高い派遣にチャレンジする道もあります。
抵抗がなければ、コールセンターやカスタマーセンターなどは、人手不足なのでトライする価値があります。



「30代は!?」ってなるよね。30歳前半であれば、官公庁じゃなくても見つかる可能性があるよ。後半になるにつれてどんどん難しくなる。
参照記事:40代は派遣かパートどっちがいい?タイプ別におすすめを紹介
キャリアチェンジ:専門的な事務(経理とか)に就きたい
専門事務(経理や人事、マーケなど)はできる人が少ないので募集はよくあって、経験者募集がほとんど。
ただ、できる人が少ないので「資格があれば」といった条件付きで未経験OKの場合もあります。
経理だと簿記などの資格が有利になってきます。
人事の資格は難易度が高い(社労士やキャリアコンサルタント)になってくるので、まずは期間限定の仕事に応募するなどしてみてください。
>>資格の大手「大原」で簿記3級講座をみてみる




職種の未経験でも事務職の経験がないと厳しくはなるんだけどね。
「ブランク」の対策
ブランクがある場合、派遣会社や人事担当社が気にするのは以下の4つ。
- ブランクの長さ
- ブランクの理由
- 経歴や経験
- なぜ働きたいのか
派遣会社も派遣先もこんな疑問を持ちます↓



なぜ仕事を再開したいんだろう



仕事をする感覚は戻っているかな



仕事をしてみたら辛かったといって辞めないかな
ここをちゃんと説明できるようにしておきましょう。
ブランクが1〜2年であれば、仕事紹介はあると思います。
5年以上ある場合、OKの仕事が少なくなるので、官公庁や大量募集などを狙ってみてください。
ブランクについては、こちらの記事でも対策をご紹介しています。



官公庁の仕事を持っている派遣会社はそこまで多くないので、リクナビ派遣とかで探してみてね。
「職歴多め」の対策
派遣歴が長いと職歴がどうしても増えてしまいますよね。
特に今は3年までしか同じ職場にいられませんから、増えるのは仕方ないことです。
「短い職歴が多い」「短期や単発を中心にしていた時期がある」という方もいらっしゃると思います。
この場合の対策はこちら
- 30日以下の単発は申告しないか、まとめる
- 職種が同じであれば、短期の仕事はざっとまとめてしまう
嘘はよくないですが、「コールセンター業務を3社」みたいに記載するなどして、見え方を工夫しましょう。
直近の職歴が短期や単発だった場合、以下のような質問を登録会や職場見学でされるので対策してくださいね。



短期で辞めた理由はなんですか?



なぜ短期や単発の仕事ばかり選んでいるのですか?
この質問は「この人は仕事をすぐ辞めるのでは?」という不安からきているので、不安を解消するような説明を心がけてくださいね。



夫の転勤話が浮上していて、長期で働くと迷惑をかけると思いました。今は、転勤の可能性が無くなったので、長期で探しています。



未経験でしたが事務の仕事にチャレンジをしたくて、期間を問わずに仕事を受けてみたんです。パソコンやOAスキルも身について、いい経験ができたと思います。
「50代以上」の対策
50代になってくると仕事紹介がぐんと減ってきます。
派遣社員の平均年齢は40代半ばを超えていますから、50代OKの仕事も増えてくるとは思いつつも、多くないのが現状。
苦渋の選択になるかもしれませんが、希望時給を下げてみる、勤務地を広げるなど条件緩和が必要です。
大事なのは、これまでの経験が活かせる仕事に応募すること。
そして、人柄の良さをアピール!(意外と大事です)
年齢が高めの派遣社員を敬遠する理由は、こちら
- 自分のやり方を押し通すなど融通がきかない
- 経験があるせいか、どことなく素直じゃない
- なんか依頼しにくい
これらを払拭する必要があるので、下記を意識してみてください。
- 笑顔でのコミュニケーション
- 柔軟な姿勢
(貴社のやり方に合わせます等) - 学ぶ姿勢など、謙虚さを見せる
- 派遣会社にも協力的
実際に、派遣先が希望する年齢をオーバーしていたけど、人柄が良かったので推薦したら決定した、というケースを何度もみてきました。



仕事紹介がないからと、派遣会社にケンカ腰でクレーム入れると、今度こそ仕事紹介が無くなっちゃうから、ぐっと抑えてみてね。別の派遣会社に登録するのもアリだよ。
「子育て中」の対策
小さな子どもを育てている場合、時短勤務や残業ナシが条件になることがありますよね。
派遣先は以下のようなことを気にしています。



突発休や早退が多いのでは



トラブルのときに残業できないよね



子供の病気やイベントで休みがちになりそう
こんな懸念がでるのは、「派遣社員に休まれると困るよ」というポジジョンであることが多いです。
つまりカバーする人がいないんですね。
なので、カバーがいるような職場を狙うか、休んでも全然困らない職場を狙いましょう。
コールセンターや事務センターなど派遣社員が多くいる職場は、「お互い様」という感じで上手く回っていることがあります。
- 子育て
- 穏やか
- 派遣社員
- 仲間
家族が突発休などに協力してくれる場合は、派遣会社にそれを伝えておくといいですよ。



子育てしながらの仕事が大変なのは、派遣会社もよく知っているんだよ。だからこそ「本当に働く意志がある?」をチェックされるよ。そこを意欲で払拭してね。
よくある質問
まとめ
派遣の仕事に受からない理由は、必ずどこかにあります。
「派遣だったら簡単に仕事が見つかると思ったのに」と思うかもしれませんが、意外と手厳しい世界。
パートやアルバイトに比べたらぐっと時給が高いので、その分人をしっかり選びます。
なかなか派遣が通らない人は、複数の派遣会社に登録して、そもそものチャンスを拡大することはマスト。
その上で、自分なりに対策を考えてみて、仕事探しの質を上げていってみてくださいね。
派遣の仕事は、パートやアルバイトより数百円高い時給で働くことが可能。
大変だと思いますが、月収に直結してくるのでがんばってください!
応援しています^^

