派遣は急に契約が終了することがあります。
それは、長期の仕事でも短い契約を繰り返すせいです。
都合が悪くなると「契約終了」のカードをあっさりだされます。
予想外の契約終了にショックを受け、落ち込む人も多いはず。
この記事では、突然の契約終了にどう対処すればよいのかを解説します。
何が起こった?突然の契約終了
「長期の仕事といわれたのに!」
「前回の更新では何も言われなかったのに」
「契約更新があるような言い方してたはず」
多くはないですが、派遣の契約が予期せず終了することはあるんです。
不信に思うし、納得いかないですよね・・
まずは、なぜ急に契約が終了したのかを簡単に解説します。
派遣先の都合による終了
ひとつあるのは、派遣先の都合です。
- 経営悪化
- 社員の配属が決定
- 部署の統廃合
人員削減をしなければいけない、新卒が入ってくる、みたいな理由で急な契約終了が起きます。
この場合、後任の派遣社員が来ることはありません。
この場合は、他の派遣社員も契約終了になったりするよ。
たまにですが、ものすごく勝手な都合もあります。
- 若い派遣社員がほしくなった
- 難しい業務もしてほしいから、別の人がいい
- 派遣料金の安い派遣会社に乗り換えたい
緊急性が乏しいのに、簡単に人を入れ替えたいと言ってくるケース。
派遣会社も対応に苦慮するんです。
派遣先の社員の人格が疑われるケースだよ。派遣社員を軽くみているよね。
自分への評価による終了
働きぶりや評価に対して、NGが突きつけられて契約終了になることも、少なくないです。
- 仕事ができないと思われた
- 勤怠が悪いと思われた
- 人間関係のトラブル解消のため
- 一緒に仕事しにくいと思われた
人間関係のトラブルは、100%誰かのせいってことはありません。
両方が歩み寄るべきですが、そうも行かない場合があります。
社員の方が問題児でどうにもならない。でもクビも無理。申し訳ないけど、派遣さんが引いてくれ・・
本当にやりきれない!
立場の弱い派遣社員が損するんだよね。。
「納得できない!」場合の対処
契約終了に納得できない人も多いはず。
この場合にどうすべきかをご紹介します。
それぞれ解説しますね。
派遣会社の担当者に本音をぶつける
派遣会社の担当者に本音をぶつけるのもアリ。
- なぜ急に契約が終了になったの?
- 予告してくれなかった!
- 長期だと言ったじゃない!
でもこれは「自分が納得するため」の行動になってしまいます。
いろいろ聞いても、残念ながら契約終了を覆すのは難しい。
ただ、心の中でわだかまりを抱えるくらいなら、「スッキリするため」に話してみるのもいいと思います。
「契約を更新しない」であって、契約を途中で打ち切るとは違うんだよね。
違法性が無いかをチェック
例えば次のような場合、「休業手当」を請求できる可能性が高いです。
- 口頭やメールで契約更新OKと言われていた
- 契約終了まで30日なかった
派遣会社に休業手当がでるかを確認しましょう。
労働基準法監督署や都道府県には、労働に関する相談窓口があるから、そっちに聞くのもあり!正しい情報をもらえるからね。
契約延長ができないかを探る
派遣先の担当者や信用できる派遣先の人に相談し、契約延長の道がないかをダメ元で相談するのもあり。
可能性は低いんだけど、「やるだけやった」と納得することができるかも
反論することで損することも
契約終了の理由によっては、反論したくなることもあります。
派遣先や派遣会社に物申したいところですが、自分が損することも多い。
次の3つのリスクを知っておいてくださいね。
やっかいな人認定。次の仕事紹介がない
納得いかないけど「ゴネてやっかいな人!」と思われるリスクがまずひとつ。
人間関係を理由にした場合でも、「申し訳ないけど、理解してよ」と願っているもの。
度が過ぎる言葉や態度は、「仕事紹介は無理」という評価に・・
勝手な言い分なんだけどね。「この派遣会社にはお世話にならない!」と思えるなら、気にしないで。
派遣先で”腫れ物”あつかいされる
契約終了が決定しても、契約までは仕事は続きます。
そうなると会社で「腫れ物あつかい」されて、ストレスフルな時間が増えることに・・
次の仕事探しが遅れる
派遣会社の追求に時間を使いすぎてしまうと、次の仕事探しが遅れてしまうことに。
物申しても、派遣会社と派遣先で話したりと、何かと時間がかかるんだよ。でも、結局「ごめんなさい」が結論になりやすい。
【結論】時間のムダとイラつきが増すだけ
正直なところ、派遣会社や派遣先と戦うことは、時間だけでなくメンタルも消費します。
それだけの成果が得られるかというと、契約更新される可能性は限りなく低い上に、慰謝料なども期待もできない。
嫌な相手とのやり取りする時間が増え、ストレスだけが溜まってしまうことになりかねません。
気持ちはすごくわかるのですが、なんだかんだ自分が損するんですよね。。
こんなこと言ったら社会人失格だけど、物申すより「引き継ぎには協力しない、明日から有給消化します」の方が、簡単に相手にダメージを与えられるかも。
「すぐ辞めたい!」場合の対処
「いたたまれないし、辞めたい!」という方もいますよね。
気持ちはよくわかります。
この場合の対処について考えてみましょう。
「明日から行かない!」で損すること
「もう行きたくない!」とすぐに辞めてしまうと、損することがあるんです。
辞めてもいいと思うのですが、その前に知っておいてほしいことがあります。
有給消化ができない
有給が余っている場合、消化できないです。
きっと買い取りもしてもらえないので、もったいない。
自己都合の退職になってしまう
自己都合の退職になる可能性がでてきます。
離職票に「自己都合」って書かれてします恐れアリ。
そうなると失業保険が出るのが遅くなるから、すごく損!
最終的に自己都合か会社都合かは、ハローワークが判定するよ
しつこい連絡でストレスフル
「もう行かない」となっても、派遣会社からはしつこく連絡がくるので、ストレスです。
- 契約を全うしろと説得してくる
- 貸与物を返してほしい
- せめて引き継ぎだけして
責めるようなことを言ってくる人もいるから、踏んだり蹴ったりだよ
契約の短縮を相談しよう
もう行きたくないと思ったら、派遣会社に相談し契約の短縮を相談するのもひとつです。
「もう仕事も割り振られず、ヒマになると思う。早々に辞めたいです」
「とても居づらいし、ストレスです。契約を短縮できませんか?」
「引継書は作るので、作成が終わり次第、辞めたいです」
できれば、「会社都合」で離職票を出してもらうことを条件にすること。
意外と契約短縮に応じるケースはあるから、気になる人は派遣会社に相談してみて。
次の仕事を決めて、即日で辞める
さっさと次の仕事を決めて、決まったら即日で辞めるのもアリ。
「社会人としてどうなの?」と気になる人もいますが、派遣は派遣社員を不利に扱っている側面が大きいので、気にしないでOKだと個人的には思います。
長期と言ってたのに、急にクビを切って、仕事は全うしろはないよね。生活かかってるんだけど。
いつでも契約終了できるように短い契約にしておくのは、派遣会社と企業にとって都合がいいから。このくらいのリスクは受けてもらおう。
「契約は守るけど居づらい!」場合の対処
契約終了は受け入れるけど、居づらいという場合の対処法もお伝えします。
それぞれ解説しますね。
契約を守ることのメリット
契約を守ることでのメリットは次の3つです。
収入が確保
とりあえず収入が確保されるのはメリット。
次の仕事が決まっても、そこまでの生活費は必要です。
失業保険を早めにもらえる
「会社都合」で離職票をだしてもらえるので、失業保険が早くでます。(ちゃんと確認してね!)
※実際に振り込まれるのは、支給開始から1ヶ月後
仕事紹介がある可能性も
協力的な姿勢を見せると、次の仕事紹介があることも。(契約終了の理由次第ですが)
契約を守ることで損することもある
意外かもしれませんが、契約を全うすることで損することもあるんです。
仕事がなくてヒマ
もう終了が決定しているので、新しい仕事が割り振られずヒマ疲れする可能性もあります。
引き継ぎをお願いされる
契約終了でショックな中、マニュアル作成や引き継ぎをお願いされたりすることも。
仕事探しが遅れる
次の仕事探しをする時間が限られてしまいます。
また、いい仕事があってもスタート日と調整が取れず、断念せざるを得ないことも。
居づらいときの対処
「居づらい」への対処法は、少ないのですが3つ提案しますね。
とにかく有給消化!
有給消化をして、出勤日を減らしましょう。
次は、別の派遣会社で仕事を探す可能性も高いので、有給は全部使ってください。
有給の買い取りは基本しないから、使わないと損だよ!
仕事は最低限で収める
仕事を最低限やって終わらせましょう。
- 残業しない
- 新しい仕事も終了を理由に断る
- 他の人を手伝わない
評価を上げようとしないでいい
優しい人は、急に契約を切られても、仕事を断らずやってあげます。
もちろん心から手伝いたいなら、全然OK。
人間性が評価され、何かにつながることもあるでしょう。
でも納得いかないなら、無理に評価を上げようとしないでください。
下手したら、相手にいいように利用されちゃいます。
ポイント4つ:これ以上損しないで辞める
突然の契約終了、これ以上損をしないためのポイントを4つご紹介します。
それぞれ解説しますね。
有給は全部使おう
有給は全部使ってください。
権利ですので、派遣先が「困る!」といっても、派遣会社に「絶対取りたい」と強気でいいましょう。
派遣会社が派遣先と調整しますので、こちらは何もきにしなくていいです。
契約期間で消化できないほどの有給がある場合は、派遣会社に「買い取って」と依頼してみるのもアリ。
派遣会社が派遣先と調整して!って言ってきたらどうすればいい?
「派遣先がダメといっているんです。でも、私の雇用主は派遣会社ですよね?調整してください」って言い返して!中抜きしているのだから、このくらい働いてもらわないとね。
失業保険がどうなるか確認
失業保険は、「会社都合」と「自己都合」で支給の時期が大きく違います。
離職票の退職理由に「会社都合」と書いてくれるかをしっかり確認しましょう。
「自己都合」と書かれてしまったら、ハローワークに申し立てしてみて。
今の派遣会社に仕事紹介は期待できない
契約を切ってきた派遣会社に期待しないほうがいいです。
仕事を探します!
と言葉で言っても、怪しいところ。
とりあえず何かしら紹介だ!と希望から外れた仕事を紹介してくるケースもあります。
特に仕事の評価で契約終了になった場合は、全然探してくれないか、難アリな派遣先を紹介されることも。
気持ちが落ち着いてきたら、自分で次の仕事探しを始めましょう。
正社員を目指してもいいと思います。
年齢的な問題や時短など、仕事を見つけにくい場合は、早めに探し出すのをおすすめします。
急がないなら長期休暇を取るのもいいよね。
退職理由をどうするか
契約終了になった場合の退職理由ですが、下記のどちらかで大丈夫です。
- 契約満了
- 派遣先の都合により終了
調べられることはありませんし、事実ですので。
働きぶりが契約終了の理由でも、派遣先の都合だよ。
自分を責めずにケアするのが先決です
突然の契約終了は、ショックだし落ち込みますよね。
自分が否定された気分にもなりやすいです。
可能なら、「合わなかっただけ」と割り切ってみてください。
どんなに優秀な人でも、場所を間違うと評価されないんですよ。
社風に合わないこともあるし、そこの人間関係のせいで悪い評価になることなんて、正社員でもよくあります。
「あなたが悪い」と言って言いくるめてきたら
変な派遣会社の担当にあたると、すんなり契約終了させたいために「あなたに非があるんだ」と思わせてくる人もいます。
でもね、そもそも派遣先に斡旋したのは派遣会社です。
雇用主でもあるし、どっちかが悪いなんてことはありません。
精一杯がんばったのに認められなかった悔しさを、理解してくれない担当者の言葉を信じないで。
ほんとに「合わないことが起きた」だけなんです。
心身をリラックスさせて、落ち着いた頭を取り戻す
ショックや怒りが湧いてくるのは、当たり前です。
ただ、その状態で行動してしまうと、火事が大きくなっちゃうことには注意が必要。
まずは、自分を労ってあげてくださいね。
- マッサージに行く
- 美味しいものを食べる
- 欲しいものを買ってみる
- 海辺を散歩する
- 映画を見る
人生を変えるきっかけに逆利用してしまおう
このやるせなさを行動力に変えてみるのも、いいと思います。
- 正社員を目指す
- 転職に有利な資格を取る
- ITスキルを高める
- 副業を始める
契約終了は、勝ち組になるための「伏線」だと考えてみて!
突然の契約終了でよくある質問
派遣会社が契約より早く辞めたらと言ってきたら?
たまにですが、派遣先が「すぐ辞めさせて!」と理不尽なことを言ってきます。
そして派遣会社が、契約短縮を持ちかけてくることも。
その場合はすぐに合意するのではなく、以下の2点を確認してからにしてください。
- 契約短縮した場合、契約期間中の給与保証はあるのか
- 「会社都合」で離職票を出してくれるか
ショックを受けているし、恥ずかしいから契約短縮をもちかけられたら、すぐYESっていっちゃいそう。
そうなんだよね。そう言いくるめてくるから、しっかり交渉してね。もうYESって言った場合は、行政に相談してみて。
有給消化をさせてくれない!
派遣会社に相談しましょう。
派遣会社がNGを言うなら、行政の相談窓口に連絡します。
有給は権利。
強気で大丈夫ですよ。
派遣会社がゴネてきたら、「行政に相談する」と言ってみて。態度が変わるかも。
派遣会社に何を請求できるの?
派遣会社に請求できるのは、以下のようなことです。
- 有給消化
- 次の仕事の斡旋
- 30日前を切っている場合は、休業手当。
残念ながら慰謝料とかは、難しいでしょう。
失業保険は会社都合になる?
会社都合になるはずですが、派遣会社の方針もあるので、絶対確認してくださいね。
自己都合だと言ってきたら、会社都合にするよう強く申し出てください。
もしくは、ハローワークに相談します。
ハローワークが最終的にどっちか決断するからね。労働者の味方なので、頼ろう。
契約を短縮する契約書にサインすべき?
納得したならOKですが、下記の2点を確認してからサインすることをおすすめします。
- 会社都合で離職票を出してくれるか
- 休業手当を契約期間分、支払ってくれるか
休業手当は、平均賃金の6割以上というルール。でも、満額を請求してみてね。自分から短縮を申し出たは、難しいかもしれないけど。
急に契約終了されない派遣先の選び方を知りたい
派遣の場合、3ヵ月単位の契約が多いので「長期といったのに、更新がなかった!」というリスクが、どうしても消せません。
ただ突然の契約終了を言い渡されないために、できることはあります。
- 官公庁の仕事を選ぶ(安定している)
- 勤怠に気をつけて、仕事を頑張る
- 人間関係を悪くしない(すごく良くする必要もないです)
- 対応がしっかりしている派遣会社を選ぶ
まとめ
- ムカつくけど、契約終了を覆すのは難しい
- 損しないように、権利をしっかり主張しよう
- あなたが悪いわけじゃないです。派遣の仕組みの良くない点がでた
- しっかり自分を労ってください
- 落ち着いたら、今度は良い職場を探しましょう。
契約終了は、誰だってショック。
頑張ってきたのに、この仕打ちは落ち込みます。
これを機に、正社員や派遣社員を大事にする派遣会社・派遣先に巡り会えることを祈っています。
応援しています!
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