紹介予定派遣はやめた方がいいと言われるのは、「派遣期間が採用試験」という特徴からきています。
これ、企業にめっちゃ有利で、求職者にはあまりメリットないんです。
その理由を説明しますね。
前提:紹介予定派遣の基礎知識
紹介予定派遣とは、一定の期間派遣社員として働き、その後派遣先企業が直接雇用する形態の求人です。
ただし、最初から直接雇用が保証されているわけではなく、派遣期間中の実績や適性によって判断されます。
また、働いてみて「合わないな」と思ったら、直接雇用を断ることができます。
基本ルール
基本ルールは、以下のとおり
- 派遣期間は最大6ヶ月。延長不可
- 派遣期間の雇用主は派遣会社。派遣先ではない
- 仕事ぶりや適正検査などで合否が決定
人材紹介や直接応募との違い
派遣期間をかませるので、他の採用とは少し違いもあります。
- 採用後に試用期間はない(法律で試用期間を設けることは禁止されている)
- 派遣で入社するときの面接は、1回程度が主流
- 派遣期間中と正式採用後は、給与などの待遇が変わる
紹介予定の仕組みについては、「紹介予定派遣ってどうなの?メリットがある人、ない人」で詳しく解説しています。

派遣期間中は、時給制。正式採用後は、条件にもよるけど、だいたい月給制だよ
紹介予定派遣はやめたほうがいい7つの理由
スーは紹介予定派遣は、最後の手段がいいと思っています。
その理由は、主に7つ。
- 無駄に時間をつぶす可能性あり
- 企業に有利にできている
- 短い職歴がつく
- 緊張のある勤務が続く
- 面接回数が多め
- 入社しても有給がでるのは更に半年後
- 職場を気に入っても派遣では継続不可
無駄に時間をつぶす可能性あり
派遣期間で仕事を覚えて、半年間一生懸命働いたとしても、働きぶり次第では「不採用」なんてこともあるのが紹介予定派遣。
働きぶりは評価されていても、派遣期間中に受けた適正検査などの試験で不合格になることも。
また、働いてみて合わないことを知り、入社を辞退することもあるでしょう。
そうなると、またイチから仕事の探し直しとなるわけです。
転職はできるだけ若いほうが有利なのは今も変わらないです。
無駄に時間を潰す可能性があります。
企業に有利にできている
紹介予定派遣でなければ、企業は「この人、うちの会社に合わないな。ミスマッチだな」と思っても、解雇は簡単にできません。
たとえ試用期間があっても、解雇理由は結構厳格なんです。
でも、紹介予定派遣は「派遣期間中は自社の社員じゃない」ので、働いていても「採用しません」って言えるわけ。
短い職歴がつく
不採用または辞退した場合、短い職歴がつくことになります。
次の転職の際には、退職理由を考えないといけません。



なんで不採用になったんだろう?問題あるのかな



なぜ辞退したのかな?合わないとすぐやめる?
緊張のある勤務が続く
ふつうの派遣と違って、派遣期間は「この人と一緒に働ける?採用しても大丈夫?」とジャッジされます。
そのため、常に見られているで、「採用されなかったらどうしよう」みたいな不安や緊張が続きやすいんです。
そんな不安な思いをしても不合格になる可能性があるので、「なんだかなー」ってなるわけ。
面接回数が多め
紹介予定派遣で働くには、まず候補者となるべく書類選考と面接があります。
これに通過すると、直接雇用候補の派遣社員になります。
仕事ぶりや勤怠の状況を判断されつつ、最終面接が行われます。
これは、必ずするわけでは無いけど、多くの企業で実施されます。
上級管理職や役員、社長などと面接することもあります。
回数は会社によって異なります。
入社までにどんな選考過程を踏むのか派遣会社に確認しておくと安心です。



入社後に適性検査などの試験がある場合もあるよ
入社しても有給がでるのは更に半年後
法律で有給は、入社後半年たったら勤務日数に応じて付与することになっています。
- 派遣会社から有給が出る前に派遣期間が終了(紹介予定派遣の前に同じ派遣会社で勤めていたらこの限りじゃないです)
- 入社した会社でもらえるのは、入社してから半年後
つまり、最悪の場合働き始めて1年後にしか有給が出ない可能性があります。



会社によっては、入社後すぐに付与してくれることもあるから、派遣会社に念のため確認しておこうね
職場を気に入っても派遣では継続不可
紹介予定派遣の派遣期間は、最大6ヶ月と派遣法で決まっています。
なので「双方が合意したので派遣期間を延長します!」もダメ。
時々あるんですが、派遣社員のときの方が時給がよかったりするんですよ。
正社員(契約社員)になった方が待遇が良くないから、派遣で続けさせてというのもできないんです。



紹介予定派遣じゃなくて、ふつうの派遣だったら直接雇用のオファーを断ればいいだけ。
派遣社員を続けられるよ。
ただ、同じ会社の同じ部署で働けるのは、原則3年までだから気をつけてね
【メリット】紹介予定派遣だから転職できる場合もある
デメリットが多い紹介予定派遣ですが、紹介予定派遣だからこそ転職ができる場合もあります。
- 未経験やスキル不足でもチャンスあり
- 紹介予定派遣だけでの募集がある
- アピールが苦手でも採用されるチャンスがある
- 派遣での職歴が長くても、不利にならないことがある
未経験やスキル不足でもチャンスあり
紹介予定派遣の場合、働きぶりをみて採用を決定するので、未経験者やスキル不足でもチャンスがあります。
普通の採用試験だと書類審査や面接で落ちる場合でも、「働きぶりを確認してから決めよう」となります。
なので、人によってはチャンスがある制度とも言えます。
紹介予定派遣だけでの募集がある
秘書やチームワークを大事にしたい、既存社員との相性を大事にしたいんです。
面接だけでは、その相性を図ることができません。
そのため、紹介予定派遣だけで社員採用をするケースがあるんです。
アピールが苦手でも採用されるチャンスがある
面接が上手な人もいれば、うまく話すことができないタイプもいますよね。
紹介予定派遣だと「働きぶり」が判断基準になるので、アピールが苦手でも仕事で自分を評価してもらえます。
派遣での職歴が長くても、不利にならないことがある
全部とは言いませんが、紹介予定派遣の場合、正社員歴より派遣社員歴の方が長かったとしても、不利にならないことがあります。
雇用形態より相性や経験、人柄のほうが大事だから、といった理由で「お試し期間」のある紹介予定派遣で募集していたりするんですね。
企業側もいきなり雇用するわけじゃないので、ハードルを少し下げているんですよ。
しつこいですが、全部の紹介予定派遣がそうではありません。
紹介予定派遣の合格率ってどのくらい?
紹介予定派遣の合格率は、おおよそ30~50%です。
これは、企業から採用見送りもあれば、求職者が辞退したのも含まれます。



スーが担当していた紹介予定派遣の派遣社員さんは、結構合格していたので少し肌感覚が違う気もする数値。
ポジションによるかもしれないなぁ
厚生労働省
派遣協会の2023年第1四半期調査によると、1月~3月までの紹介予定派遣で稼働した人数と成約(正式に入社が決まった)人数は以下のとおりです。
成約数は、派遣先から断られたケースもあれば、派遣社員が辞退した場合も含まれます。
出典:日本人材派遣協会|労働者派遣事業統計調査2023年第一四半期(PDF)
紹介予定派遣で採用に至らなかった理由1位は・・?
はたらこねっとの調査によると、紹介予定派遣で直接雇用に至らなかった理由は、以下の通りでした。


その他のコメント



交通費がでなかった・・



会社規模が小さくて将来性がやっぱり心配
紹介予定派遣にトライするときに注意すること7つ
紹介予定派遣を利用するときは、以下の6つに注意してね。
- あくまでも転職する方法のひとつとする
- 人気があるので積極的に応募する
- 募集企業の採用サイトも見てみる
- 雇用条件は仕事紹介時にしっかり確認
- 職場見学ではなく、ガチの面接対策をする
- 「社員」の心持ちで働く
あくまでも転職する方法のひとつとする
紹介予定派遣は、募集数がそもそも少ないので、転職手段の1つとするほうがおすすめ。
あと、派遣で働いても社員になれないかもしれないというリスクもあります。
紹介予定派遣の仕事もチェックしつつ、求人広告からの応募や人材紹介サービスも同時並行させましょう。
派遣から正社員になりたい人は、ぜひ「派遣社員を脱出する。正社員に向けての転職活動スタート」もご覧ください。
人気があるので積極的に応募する
紹介予定派遣は人気があります。
登録時に希望を出していても、先に応募があった人に紹介が行くこともあります。
「待ちの姿勢」では、見つかる可能性も低いので積極的に応募しましょ。
募集企業の採用サイトも見てみる
もし紹介予定派遣の企業名がわかれば、企業サイトを見てみましょう。
採用ページには、さまざまな募集があるはず。
情報収集することをおすすめします。
複数の派遣会社に登録しておく
紹介予定派遣は、大手でもたくさん仕事をもっているわけではありません。
仕事数に対して希望者の方が多いのも珍しくないです。(営業職とか人気ないけど)
なので、複数の派遣会社に登録しておくことをオススメします。
今は、オンラインで登録できたりもするので、ちゃっちゃとやってしまいましょう。
次の登録先については、「次はどこの派遣会社に登録する?複数社に登録した方がいい人がいる」で紹介しています。
雇用条件は仕事紹介時にしっかり確認
紹介予定派遣を受ける場合、正式な社員になる時の雇用条件や待遇をしっかり確認しましょう。
- 雇用形態(正社員なのかどうか)
- 契約社員であれば、正社員登用はあるか
- 給与
- 休日(夏休みや会社カレンダー)
- 有給がどうなるか
- 勤務時間と残業
職場見学ではなく、ガチの面接対策をする
ふつうの派遣は、原則面接は禁止です。
ただ、職場見学という名の簡易的な面接があります。
職場見学を経験したことがあるかもしれませんが、紹介予定派遣の場合はより本格的な面接対策が必要です。
というのも、紹介予定派遣は法律で面接が認められています。
候補者はたくさんいるし、なんなら同じ派遣会社から何人も受けてることも。
「社員」の心持ちで働く
派遣社員として入社しても、社員候補として見られています。
なので、社員並みの教育や業務を任せられます。
企業からすると、派遣社員は派遣会社の人ですが、紹介予定派遣できた派遣社員は将来の同僚。
派遣社員歴が長い場合、違いを感じるかもしれません。
見られていることを意識してくださいね。
登録しておきたい派遣会社
紹介予定派遣を転職方法のひとつにしたい場合、登録しておきたい会社は大手派遣会社。
その中でもテンプスタッフ
ここに登録しておきましょう。
- 取引している企業がとにかく多い
- 仕事情報が充実
- サポートもしっかりしていて、業界内の評判も上々


もうテンプスタッフには登録済みだよ、という人にオススメはこちら。
外資系の派遣会社からアデコ。
世界最大級の派遣会社です。


準大手で勢いのあるマイナビスタッフ。
転職サイトで強いということもあり、準大手ながらいい派遣先をもっています。
希望の仕事がある派遣会社に登録したいよ、という人は
リクナビ派遣はいろんな会社が仕事を掲載しているので、探すのは便利です。


紹介予定派遣のよくある質問
紹介予定派遣のよくある質問をいくつかご紹介します。
40代でも紹介予定派遣の仕事はあるの?
正直、少ないと思います。
40代の社員採用は、経験を求められる事が多く、企業も紹介予定派遣ではなく普通に募集をかけます。
ただ、経理や人事などの専門事務で採用が厳しい場合は、紹介予定派遣があることも。
40代の場合は、紹介予定派遣以外を積極的に探す方がベターです。
「【40代】派遣の仕事が決まらない!理由と対策を解説」もご覧ください。
仕事が合わなかったら途中で辞められる?
紹介予定派遣でも派遣契約を結ぶので、すぐに辞めるのは難しいことも。
ただ、入社意思がない人に長くいてもらってもしょうがないと考える企業も多いので、派遣会社と相談して契約短縮を調整してもらいましょう。
派遣を辞める場合については、「「派遣を辞めたい」のマニュアル 」で詳しく解説しています。
どの派遣会社に登録したら紹介予定派遣の仕事があるの?
大手派遣会社でも多くないのが、紹介予定派遣です。
大手派遣会社への登録はマスト。
おすすめは、業界最大手のテンプスタッフ
案件も多いんですよね。
ただ、住んでいるエリアによっては、全国展開している大手派遣会社が強いとは限りません。
地元の派遣会社のサイトを見て、紹介予定派遣の取り扱いがあるか確認しましょう。
>>テンプスタッフの公式サイトはこちら

派遣会社の社内選考もあるの?
あります。
派遣先の希望に合致する人がたくさんいた場合、紹介する候補者を数人に絞るので、派遣会社の社内選考で不合格になることも。
あと、一般的な派遣より書類選考が遅いケースが多いです。
まとめ:紹介予定派遣はあくまでも「サブ」で利用する
- 紹介予定派遣は、「派遣期間が試験」という特性から、不利な点がある
- 一方で、未経験やスキル不足でも採用してもらえる可能性がある
- 紹介予定派遣でしか募集していない仕事もある
- そもそもお仕事の件数が少ないので、ほかの転職活動と同時並行させるのがベター
- 紹介予定派遣も検討したい場合は、派遣会社に登録をしよう(派遣は許可制なので)
紹介予定派遣の特徴を知って、うまく利用してくださいね。
応援しています!