「長期のお仕事です」と言われて働き始めても、実際には3か月ぐらいの短い雇用契約で「更新していく」のが派遣のスタイル。
なので、派遣社員は数か月ごとに「仕事続ける?」ということを考えます。
また、派遣先も「引き続き、仕事お願いする?」を検討します。
で、長期と聞いていたのに「契約更新がありません」なんて、ショックな連絡をもらうことも。
まさかの契約更新ナシ!の理由を知ってください。。
ショックを受ける契約終了6つの理由
派遣の契約は必ず更新されるとは限りません。
派遣は、パート・アルバイトより比較的更新されない確率が高い傾向にあると思います。
理由のひとつは、パート・アルバイトは社員だけど、派遣社員は派遣会社に所属していることがあげられます。(自分とこの社員じゃないってこと)
自分とこの社員をクビにするって、パート・アルバイトでも大変なんです。
もうひとつは法律です。
派遣は働ける期間の制限があって、同じ派遣先で働けるのは3年まで。
契約が更新されない代表的な理由をいくつかあげてみます。
会社の業績が悪化。「派遣切り」
経営不振や会社独自の理由で、経営が悪化した時、人員整理と呼ばれるものがあります。
いわゆるリストラ。
でも、社員を解雇するのは法律上大変なので、まずは派遣社員の更新を更新しない、ということがおきます。
リーマンショックのときに起きたのはこれです。
大手の派遣会社ですら社員をリストラするくらい、派遣業界に影響がありました。
仕事ぶりが良くないと判断された
仕事ぶりが良くないという理由で契約更新してもらえないこともあります。
- いつまでも仕事を覚えてくれない
- ミスが多い
- 適性がないって思われた
- 仕事が遅い
- メンバーとのコミュニケーションに問題がある
正直、これは心外だなって思う理由もありますよね。
「派遣社員にそこまで求めるわけ?」
「もう少し時間がほしい!」
「未経験でOKといったよね?時間かかるってわかるでしょ」
などいろんな気持ちがでてきますよね。
正社員だったらそれでもクビにできないのに、派遣だとこうなるのはツライですよね 泣
勤怠が悪かった
勤怠がよくないと、何かしらの理由をつけて契約終了に持っていくケースがあります。
だいたい病欠であったり、家族の事情でお休みされると思いますが、それを理由に解雇は難しいんです。
ただ、派遣の場合は派遣先と雇用契約がありません。
そして派遣会社との契約次第ではありますが、派遣先は「派遣社員の交代要求」が可能とされています。
長期間や度重なる欠勤で、業務に支障がある場合は、正当な理由になりえるので要注意。
社員でも勤怠悪い人がいるのに、なぜか派遣社員の勤怠に厳しい会社、あるよね。
やっぱりそれは、「自分の会社の社員じゃないから」に起因しているの。
勤怠が悪くて解雇ってすごく難しい。
けど、派遣だと契約を更新しなければいい、ってなるのね。
同僚とうまくやれない
先に言っておきますが、同僚とうまくやれない原因があなたにあるとは限りません。
社員にも先輩派遣社員にも、お局だったり、パワハラ・モラハラ体質の人はいます。
本来であれば、その人達をどうにかすべき。
けど、社員をクビにするのも異動させるのも労力がいるし、古参の派遣社員に抜けられたら困る、みたいな理由で割を食うことが・・
ありえないですが、そんな事情もあったり。。
こんな職場は、さっさと抜けたほうがいいです。
ストレスすぎるし、ネガティブな雰囲気に身を置かないほうが絶対いい。(いいこと起きないから!)
社員の配属が決定した
社員がよその部署から異動してきたり、新卒社員の研修が終わって配属先が決定した、などという理由で派遣社員の業務がなくなる場合もあります。
逆もあって、新卒社員で対応しようとしていたんだけど、採用できなかったから派遣さんに来てもらおう、もある
経営方針の変更で部門が縮小・消滅
経営方針で商品やサービスの提供をやめる、などが決定すると関連する部署も消滅したり、縮小や合併することがあります。
または、業務をまるごとアウトソーシングするケースも。
アウトソーシングとは、業務の一部や全部を別の会社に委託する、ということ。
例えば、経理の業務は自社じゃなくて専門の企業に依頼しよう、みたいな。
そうなった場合、業務がなくなります。
アウトソーシング先の会社でスカウトされることはあるよ。
その場合は、アウトソーシング先の企業で採用されるか、派遣先がアウトソーシング企業に変更になるよ
支店や支社の統廃合も
支店や支社で働いている場合、会社の方針で近隣の支社と統合されることがあります。
在宅勤務が広がってオフィスを整理やWeb化が進んで、店舗に来るお客さんが減った、みたいな理由。
統合先に支社で勤務しないか、と打診されることもあります。
ただ、全員を連れていけないから選抜、ということも。
急な契約終了ではない理由もある
わかってはいたけど、いざ契約終了と言われるとショックな理由もありますよね。
元々、この期間と決まっていた
派遣の仕事紹介時に聞いているはずですが、もともと期間がきまっていたケース。
産休育休・介護・病休のカバーで、社員が戻ってきた
産休/育休・介護で休職していた人のカバーで、働いていた場合ですね。
このケースは、だいたい1年とか少し曖昧な期間で言われていることがあります。
あいまいにされるのは、実際に戻ってくる時期がズレるから。
保育園が見つからないや、病気の回復が遅れた、などの理由で延長されることもあります。
短期・期間限定業務だった
期間限定業務もあらかじめ知っていたパターン。
年末調整業務で2か月だけ働いた、夏のセール時期だけ、短期間のプロジェクト、などの場合です。
延長する可能性はゼロではありませんが、繁忙期対応やイベント対応なので、最初に言われた期間で終わることは多め。
派遣先のルール
派遣先によっては、派遣社員が在籍できる期間は1年だけ、といった独自ルールをもっている会社もあります。
これも事前に伝えられているはずですが、聞いていなかったら・・派遣会社に聞いてないけど、と伝えましょう。
派遣先で3年経った
派遣社員はいつまでも同じ職場で働くことができません。
派遣法では「人で3年」というものがあり、同じ職場の同じ部署では3年までしか働けないんです。
次の契約更新で3年経ってしまう場合、更新ナシとなります。
ただし、例外もあってこの場合は3年以上勤務することができます。
- 派遣会社と期間の定めのない契約(無期雇用)の契約を結んでいる(無期雇用派遣)
- 育休、産休の人の代替として働いている
- 60歳以上
あと、同じ会社で別部署に異動したらリセットされるので、続ける事が可能。
それ以外の道だと、派遣先の社員になるか、という感じなんです。
派遣の3年ルールについては、「誰得?「派遣の3年ルール」はひどい。就職弱者になる理由」で詳しく説明しています。
同じ派遣会社での勤務が5年になる
同じ派遣会社で複数の派遣先で働いた場合、通算5年になると契約更新するかの話がでてきます。
労働契約法により、派遣会社には通算5年働いた派遣社員を期間の制限のない条件で雇用する義務が発生します。
簡単に言うと、正社員に近い雇用ということ。
雇用期間以外の条件は、今のままとほぼ変わりませんが、たとえ派遣の仕事がなくなっても派遣会社が休業手当を出します。
ただし、派遣会社側から見るとリスクがでてくるんですね。
正社員に近いわけですから、簡単に解雇とかはできないわけです。
それゆえに、無期の契約を結ぶ人材は慎重になります。
派遣会社によっては「無期雇用しない」方針の企業もあります。
これは派遣社員だけの問題じゃなくて、契約社員やパート・アルバイトでも起きるんだよ。
その場合は、派遣会社じゃなくて雇用主に無期で雇用する義務が発生。
もめることもあって、ときどき問題となってニュースになったりするの
契約終了ショックの対処法
想定外の契約終了にショックを受けるのは当然です。
簡単に言うけど、こっちは生活があるのに!って気持ち、すごくわかります。
ここでは対処法をご紹介しますね。
有給を使い切る
自己都合の契約終了じゃないので、有給はしっかり使い切りましょう。
有給を取って、ぜひ自分を癒やしてほしいです。
どんな理由にせよ、契約終了はショックですから。
平日ののんびりとした空気感の中で、自由にしたいことしてみてほしいなと思います。
派遣会社の営業担当社と話してみる
契約終了の理由が納得いかないこともあるだろうし、今後の不安もあると思います。
勤務先に直接は言えないけど、中間に入っている派遣会社にはどんどん相談してください。
終了理由の反論もしていいと、個人的には思います。
すっきりさせたいですしね。(派遣会社は中間マージン取っているのだから、フォローは当然してほしいし)
もうひとつの理由は、「この派遣会社は次の仕事を紹介してくれそう?」を判断するため。
相手理由の契約終了であっても、派遣会社が積極的に次の仕事を探してくれるとは限りません。
次の仕事探しをスタート
心が落ち着いてからでもOKですから、次の仕事探しをスタートさせましょう。
厳しいようですが、派遣会社が次の仕事を必ず斡旋してくれるとは限りません。(無期雇用派遣じゃない限り)
早く決めたい場合は、別の派遣会社に直接登録しちゃったほうが早く進みます。
次の派遣会社選びについては、「次はどこの派遣会社に登録する?【10選】職種別のオススメ派遣会社」でオススメの派遣会社を紹介しています。
派遣はこりごり!正社員に転職
派遣社員は、パート・アルバイトより解雇リスクが高い働き方です。
「派遣先の社員じゃない」というのが大きい。
もうこんな不安定な雇用嫌だ!と強く思う方は、転職をオススメします。
どうしても時間がかかりますが、派遣先都合であれば失業保険がでるはずですし、時間を書けて探すのもアリ。
自分に応募できる仕事がある?
社員になれる可能性ってどのくらい?
と思う方は、とりあえず
紹介される仕事がどのくらいあるか、オファーはくるか、など知ることができます。
※マイナビのプロモーションを含みます
通院の予定があるなら契約期間内に
派遣契約が終了すると、健康保険証も返却しないといけません。
任意継続や国民健康保もあるけど、手続きに時間かかりますし、ややこしいので契約期間中に行っておくことをオススメします。
ショックな契約終了でよくある質問
派遣先都合の契約終了の場合にあるよくある疑問や質問についてお答えします。
今すぐ辞めたいんだけど
派遣会社に相談してみてください。
あちら都合なので、可能性あります!
ただ、今の派遣会社からは仕事紹介がなくなるリスクがあるのは頭に入れておいてくださいね。
辞める手順やリスクについては、「「派遣を辞めたい」のマニュアル」で詳しく解説しています。
辞める前に有給消化したい
ぜひぜひ有給消化してください!
今の派遣会社で仕事が見つからない場合、有給が消滅する可能性あります。
営業担当者に「有給を全部使い切りたい」と言いましょう。
権利なので主張して大丈夫。
辞める前に何を依頼される?準備とかある?
派遣先都合の終了なので、あまり依頼されることは少ない(と思いたい)ですが、
考えられるのは以下のこと。
- マニュアルを作って欲しい
- 後任への引き継ぎ
- 関係各所への終了挨拶
気乗りしないかもしれませんが、可能な範囲&心の落ち着き次第で引き受けてみてください。
次の仕事探しで半休か休みほしい
次の職探しで面接があったりしますよね。
派遣先都合の終了なので、協力してくれるケースが多いです。
嫌な派遣先だと、「契約があるんだから働いて」とか言うかもしれません。
が、それは気にしないで面接行ったほうがいいと思います。
もうやめる職場ですし、次の仕事を見つける方が断然重要。
なにか言われても・・
仕事がなくなると、生活が立ち行かなくなるので困ります
と言っちゃいましょう。
今の派遣会社は仕事を見つけてくれる?
契約終了の理由次第です。
勤怠や派遣先からの評価が原因だと、仕事を斡旋してくれないかも。
さっさと見切りをつけて、次の派遣会社に登録しちゃいましょう。
失業保険はすぐもらえるの?
派遣先都合なので、離職票には「会社都合」と書かれるはず。(絶対、チェックしてね!)
会社都合だと判断してすぐに失業保険を給付するかは、ハローワークが決めますが、おそらく問題なし。
わすれずに手続きしましょう。
派遣会社の人と辞める手続きのときに、「会社都合ですよね?」って確認しておくといいよ
どうしても理由に納得できない!
契約終了の理由になっとくできないこともありますよね。
これは派遣会社の担当者と話すしかありません。
「この営業、全然話通じないわー」って場合は、上司を出してもらうかコンプライアンス部につないでもらう方法もあります。
もし、派遣会社の対応が不誠実だと感じたら、労働局に相談してもいいと思います。
各都道府県の労働局で相談窓口を設置していますので、調べてみてくださいね。
ショックだと思うけど、自分を責めないでほしい
予想しない時期の契約終了やまさかの派遣先都合の契約終了で、ごちゃごちゃ頭で考えてしまうと思うんです。
怒りもあれば、自分のふがいなさに落ち込んだり、不満も抑えきれないこともありますよね。
けど、どんな自分も自分を責めないでほしいなと思います。
そこは、やっぱり派遣という仕組みの落とし穴で、「切りやすい」ポジションゆえ。
同じことを正社員がしたら解雇になるかというと、それは法的に難しいんです。
「申し訳ないなぁ」と思いつつ、派遣社員の方を切るということだってある。
その方が簡単だったりするから。
いや、ほんとに納得いかないですよね。
派遣を選ぶときは、自己防衛が本当に大切。
ただ、良い派遣先も存在することは伝えておきます。
震災の時に社員と別け隔てなく物資を配ったり、親身になってくれたりといった会社もありました。
なので、「派遣」を利用してやる気持ちで、今後のお仕事を検討してみてくださいね。
よい仕事を見つかることを心から応援しています!!