派遣社員にとって、派遣会社は「雇用主」です。
なので、派遣会社を選ぶのは大切です。
派遣会社の選び方は条件や年代でも変わります。
この記事では、希望の仕事を得るための派遣会社の選び方について解説します。
人材業界歴15年のスーが派遣会社の選び方を紹介します。
- 派遣会社には種類があるので、状況と希望で選ぶ
- とりあえず大手は1社登録しておこう
- 複数の派遣会社に登録したほうがいい場合もある(年代と希望により)
- 「雇用主」である派遣会社は、安心できるところを選ぶ
派遣会社は大きく4種類
派遣会社は、ざっくり分けて3種類あります。
全国対応の大手
全国をまたにかけて展開している大手派遣会社。
有名なのは以下の5社です。
- テンプスタッフ(パーソル)
- パソナ
- アデコ
- スタッフサービス
- マンパワーグループ
上記の5社ほどエリア展開をしてないけど、大手に近いのはこちら↓
- リクルートスタッフィング
- ランスタッド
- マイナビスタッフ
大手派遣会社のメリット
大企業の案件がたくさん
大手企業は大手派遣会社とお付き合いします。
大手企業で働きたい場合、大手派遣会社の1社には登録しておきましょう。
お仕事数が豊富
大手派遣会社には営業マンもたくさんいます。
営業マンがたくさんいるということは、取引先が多い&新規開拓もたくさんしているということ。
体制ががしっかりしている(トラブルあったときも対応する)
派遣って許可制の事業なんです。
なので違法行為をしてしまうと、厚生労働省から指導が入ったり、業務停止命令がでることも。
そんな背景もあるので、大手企業はコンプライアンスへの意識も高め。
福利厚生が充実
社会保険などの福利厚生は、法律の定めなのでどの会社でもしっかりしています。
大手の場合は、それにプラスした特典が充実。企業のカラーがでるところでもあります。
大手派遣会社のデメリット
弱いエリアがある
大手は全国展開していますが、隈なくやっているわけではないのです。
首都圏とか都市圏のカバー率は高いですが、地方は一つの県に1支店というのもザラです。
ライバルが多い(登録者が多い)
案件も多いんですが、登録者も多いのでライバルが多くなることも。
人気の案件には、応募者が多数となると、一番条件に合う人が選ばれます。
事務系以外の職種は要チェック
大手が共通して強いのは事務系のお仕事。
それ以外の販売・接客、製造といった職業は、会社によって力の入れ方に差がでます。
地域密着型
特定の地域に根差した派遣会社。
地元企業とのコネクションが強いのが特徴。
派遣のお仕事の数は、結構エリアによって違いがあるんです。
都市圏だと派遣で働くのは一般的ですが、そうじゃない地域もあります。
例えば、「コールセンターは派遣」で多いみたいな特徴があることも。
なので、仕事件数だったり職種などお仕事に特色がでやすいです。
地域密着型のメリット
地元企業に強い
地元企業同士のネットワークがあり、地元企業に強みがあります。
この企業しか持っていない案件がある
地域密着型は、その地域のいわばスペシャリストです。
求職情報に強く、特徴も知っているので、大手が持っていないお仕事を紹介されたりします。
大手が弱いところの案件が多い
大手派遣会社の場合、県庁所在地やその県の大きな市にしか支店がありません。
また、営業人数も少なく、仕事情報をそんなにもっていないこともあります。
地域密着型は、大手がカバーしていないエリアに注力していることもあり、希望の勤務地で仕事を探せる可能性があります。
地域密着型のデメリット
大手企業の案件が少ないことも
全国に展開しているような大手企業の場合、本社のあるエリアで人事が派遣の管理をしていることがあります。
その場合、本社で取引のある大手派遣会社に一括で依頼していて、地域密着型の派遣会社では取り扱っていないお仕事もあります。
福利厚生がそこまでない場合も
社会保険や有休などは、法律で決められているので整っています。
ただ、福利厚生としての子育てサポートや旅行・グルメなどの特典は大手の方が充実している事が多いです。
加入要件を満たしているのに、社保に加入させない派遣会社はブラック!注意してね。
職種特化型
特定の職種に特化した派遣会社もあります
- コールセンター
- IT系
- 販売・接客
- 通訳・翻訳
- 介護
- 製造系
専門にしているだけあって、派遣会社の人も業界や業務に詳しいです。
詳しいということは、話が通じるってこと。
なので、企業も依頼しやすいんですよね。
ちなみに事務系(一般事務とか営業事務、経理、総務、人事など)は、大手が得意。
地域密着型企業は、いろいろ扱っているので事務系ももちろん含まれます。
職種特化型のメリット
特化型というだけあって、その職種のお仕事はたくさんあります。
派遣の営業担当やコンサルタントも業務に精通していることが多く、相談にも乗ってもらえます。
また、さまざまなレベルの仕事を取り扱っているのも特徴。
スキルや経験が不足していても仕事を紹介してもらえたりします。
職種特化型のデメリット
派遣会社が大手に比べる小規模なので、福利厚生がそこまで手厚くないことも。
また、キャリアチェンジ(販売から事務職みたいな)したい場合、その派遣会社で仕事を続けられないかもしれません。
派遣会社を変える場合、有給を持ち越せないので要注意!
系列の派遣会社
大手企業は、関連会社に派遣会社をもっていることがあります。
例えば、NTTや三井住友海上、MUFGグループ、三井住友グループなど。
結構、あります。
系列の派遣会社のメリット
親会社を中心としたグループ企業のお仕事がたくさんあります。
入りたい企業が決まっている場合、登録しておくといいかもしれません。
コンサルタントがその会社に詳しいのも特徴。
系列の派遣会社のデメリット
仕事の種類が大手に比べると多くないのと、職種が偏りがち。
希望する職種があるかは、事前にチェックです。
派遣会社の選び方 3つのポイント
次は派遣会社の選び方です。
首都圏&都市圏は大手派遣会社がマスト
首都圏と大阪は、大手派遣会社の勢力が強いエリア。
登録の候補に入れておきましょう。
名古屋・福岡・神戸・仙台・広島などの都市圏は、大手と地元密着型の両方が強い。
なので、選ぶ時は地域密着型も調べておくといいです。
それ以外の地域は、大手の対応にバラツキあり。
支店がなかったり、あっても強くなかったりで・・
なので、派遣会社で探すというより、希望の求人で探して、大丈夫な会社かをチェックする・・がいいと思います。
※マイナビのプロモーションを含みます。
希望する職種があるなら特化型
職種が決定している場合、特化型の派遣会社も併せて探してみましょう。
やっぱり案件数が多いのと、コンサルタントや営業さんが慣れているので、詳しく相談できます。
希望のエリアに職種特化型の派遣会社がなければ、一般の派遣会社で探しましょ。
もしくは、パート・アルバイトの方が見つかるかもしれません。
単発・短期は大手はあまり多くない
派遣の仕事は、パート・アルバイトに比べてフルタイムが多く、短期単発も少ないです。
週4日以下や時短を希望する場合は、時短専門の派遣会社もあります。
ただ、派遣で時短勤務や週3のお仕事を依頼する会社が少ないので、大手にも登録しておくほうがベター。
あと、単発などの1か月以内の短い期間のお仕事を希望する場合、大手では紹介してくれないかもしれません。
単発や1ヶ月以内の仕事って、派遣法の規制が厳しいんです。
できないわけじゃないけど、派遣できる人に条件をつけています。
- 60歳以上の人
- 雇用保険が適用されない学生
- 副業で派遣する人(収入が年500万円以上)
- 世帯年収が年500万円以上
なので、大手はあまり積極的に単発のお仕事を取ってきません。
単発のお仕事をしたい場合は、単発が得意な会社に登録する方がよいです。
何社登録すればいい?おすすめパターン
「え、何社?」って思いましたか?
実は派遣会社に登録すれば、希望の仕事を必ず紹介してくれるわけじゃないんです。
なので、人によっては2社目を登録しておくと安心。
2社目の派遣会社探しについては、「次はどこの派遣会社に登録する?【10選】職種別のオススメ派遣会社」で詳しく解説しています。
20代~30代前半でフルタイム働ける人
大手1社か地元の大きな派遣会社1社などまず1社で様子みてOK。
そもそも派遣で働きたいと希望する人が少ない年齢層。
とっても人気があるので、仕事は何かしら紹介されるはず。
20代であれば未経験でも仕事が探せたりします。
時短・週3日希望
時短や週3を希望する場合、複数社に登録がマスト。
経歴やタイミングで1社でも見つかるケースはありますが、お仕事の数は基本少なめ。
なので、複数社に登録して、さらに積極的に応募していくことが必須。
人気のあるお仕事なので、コーディネーターが人を探さなくても応募がたくさんあったりするんです。
40代以上
経験によりますが、仕事探しを急ぐなら2~3社登録しておくと安心。
どうしても派遣のお仕事も若者が人気なんです。
加えて、派遣社員の平均年齢は40代。
つまり、同世代のライバルも多い。
なので、優先順位をつけながら複数の会社に登録し、仕事探しをしましょう。
経理や人事などの専門事務やIT系、語学堪能な人を求める仕事などは、年代問わずにニーズがあるよ。
単発・30日以下のお仕事
大手派遣会社では、取り扱いがあまりないです。
なので、まずは希望するエリアで単発案件をたくさん出していそうな会社を1社探しましょう。
大手じゃない場合、次の章で健全な派遣会社かをちゃんとチェックしてね!
派遣会社のここをチェック!
派遣会社は、あなたの雇用主になります。
できれば、登録前にチェックしましょう。
安心できる会社かどうか
先程ご紹介した大手派遣会社は、基本安心なので、ここは読み飛ばしてください。
- テンプスタッフ(パーソル)
- パソナ
- アデコ
- スタッフサービス
- リクルートスタッフィング
- マンパワーグループ
- リクルートスタッフィング
中小の派遣会社の場合、以下のポイントで判断してみてね。
派遣許可番号を取得しているか
派遣は許可制の事業です。
厚生労働省の許可をもらって、はじめて営業することができます。
ホームページに記載されているはずなので、チェックしておきましょう。
「〇〇〇 派遣許可番号」みたいに、派遣会社名で検索してもOK
優良派遣事業者の認定を受けているか
比較的最近始まった制度です。
厚生労働省が始めた認定制度で、派遣社員のキャリア形成をサポートしているか、派遣先のトラブルを予防できているかなどがチェック項目。
一定の基準を満たした企業に認定が与えられれます。
ホームページでも出しているし、こちらの「認定事業者一覧」でも確認できます。
創業した年
派遣会社のホームページの会社概要にいつ創業したかが記載されています。
長年、派遣会社として実績があるということは、それだけ必要とされていたということ。
ただ、新しい会社でもポリシーをもって営業している会社はあるので、迷ったときの判断軸程度でもいいかも。
福利厚生の充実度
やっぱり大事!福利厚生。
ほとんどの会社は、ホームページに記載があります。
以下は、派遣会社に課せられる法で定められたの義務なので、ない方がキケン。
条件を満たせば得られるものです。
一応記載があるかをチェックです。
- 社会保険
- 有給休暇
- 産休、育休の取得
- 定期健康診断
派遣会社独自の制度
ここは企業によって色がでるところ。
スーも映画の割引やレジャー施設の半額券をゲットしてました。
- 慶弔休暇や見舞金
- 旅行やグルメ、レジャーなどの割引
- 学習のサポート
- 子育て支援
お仕事の掲載数
多くの派遣会社は自社ページで、お仕事検索ができます。
希望するお仕事の条件を入れて、件数をチェックしましょう。
全てのお仕事が掲載されているわけではありませんが、掲載件数が少ない場合、仕事の紹介があまりないことも。
担当者の対応
登録前に問い合わせなどで、電話やメールで派遣会社と接触する場合があれば、その対応もチェックです。
- 問い合わせ対応のスピード
- 丁寧さ、感じのよさ
口コミ
口コミも参考になります。
ただ、派遣の場合「ちゃんと対応して当たり前」なので、悪い口コミが優勢になりやすいです。
また、派遣会社の良し悪しって営業担当によるところもあって、当たり外れがあるのも事実。
なので、ざーっとみて悪い口コミが多いかどうか、で判断するぐらいでいいかなと思います。
よくある質問
派遣会社選びでよくある質問をご紹介します。
- 迷ったのでとりあえずWeb登録だけでもいい?
-
Web登録すると本登録を促されると思いますが、「スケジュール確認します」とかでとりあえず、置いておいてOK。
ただ、派遣会社を決めたら本登録はしておきましょう。
正式な仕事紹介は、本登録後ということが多く、希望するの仕事の企業名とかを教えてもらえない、エントリーできない、といったことがあ
- 同じ仕事が複数の派遣会社であるような?
-
案件で選ぼうとしたとき、「あれ、同じ仕事だけど違う派遣会社だ」となる場合ありますよね。
これは、派遣あるある!
多くの企業は、複数の派遣会社と取引しています。
なので、同じ仕事がテンプスタッフで掲載されていたり、パソナにもあったりで。
社保加入の条件などは、どの会社も共通しているはずですが、時給は異なる可能性ありますよ。
時給は、派遣先ではなく、派遣会社が決めるんです。(まれに派遣先が指定することもある)
- 派遣登録ってどのくらい手間がかかるの?
-
正社員じゃないし、バイト感覚に近くて、そんなに手間かからないって思いませんか?
スーは思っていました 笑
ところが、意外と手間がかかります!
やることを大雑把にいうと以下の感じ。
1.履歴書・職務経歴書を登録する
2.登録会に参加、またはコーディネーターと1時間ほど話す
3.仕事を紹介される、または自分で探して応募
4.職場見学に行く
ぶっちゃけ大手はどこがおすすめ?
おすすめするならテンプスタッフ
- 業界最大手でとにかくお仕事たくさん
- 地方も強いという珍しい大手派遣会社
- 大手企業で働きたい場合は、登録マスト
大手派遣会社は、法令遵守している&仕事数多いは、共通しているので。
>>テンプスタッフの公式サイトはこちら
もう1社大手を登録するなら、外資系のアデコ。
世界ではトップクラスの派遣会社なんですよ。
外資系派遣会社の特徴は、外資系企業のお仕事を多くもっていること。
「ほかの国でアデコと契約しているから日本もよろしく!」
という感じ。
なので、外資系企業で働きたいなら以下の3社で検討しましょう。
世界TOP3の派遣会社です。
1.アデコ→日本の外資系で一番大きい
2.マンパワーグループ→日本で初めての派遣会社
3.ランスタッド→日本では後発組
最近注目なのがマイナビスタッフです。
新卒とか人材紹介エージェントでは有名ですよね。
最近は、派遣にも力を入れているようで、企業とのつながりを生かしたお仕事を結構もっています。
>>マイナビスタッフの公式サイトはこちらまとめ
- 住んでいるエリア(もしくは働きたいエリア)で登録する派遣会社候補を選ぶ
- 特定の職種で働きたい場合は、専門の派遣会社の登録も検討
- 派遣会社は基本的に何社も登録してOK。ただ、大変なので優先順位をつけよう