内定していた派遣の仕事を断るのは、派遣先や派遣会社に迷惑をかけることは事実。
なので内定辞退の連絡は嫌がられるし、いろいろ言われたりもします。
ただ一方で、派遣会社は内定辞退に慣れているんです。
派遣会社の心配事は、派遣先の信用を失ってしまい、派遣の依頼事態がなくなること。
これらを踏まえると、「ましな辞退理由」と「NGな辞退理由」があるんです。
この記事では、比較的穏便に内定を辞退でき、しつこい引き止めが起きない理由についてご紹介します。
- 内定辞退は実はあまり怖くない
- なるべく「仕方ない」って思える理由にする
- 派遣会社が派遣先に言い訳しやすいよう工夫
「派遣の内定承諾後に辞退」はなぜキツイ?
職場見学後に合格をもらい、その段階での辞退は特にトラブルにはなりません。
でも、一度OKを出した後だと、状況はぐっと複雑になります。
一言でいえば、いろんな人に迷惑をかけることになるから。
派遣先と派遣会社は、次のような状況です。
派遣先は受け入れ準備を開始
派遣先は、あなたの受け入れ準備を始めています。
PCや携帯電話、引き継ぎスケジュールなど、入社準備をスタート。
他の派遣社員の候補も断っているので、あなたが辞退すると再募集をしなくてはなりません。
派遣会社は信用を失うリスク
派遣会社はあなただけではなく、派遣先とも契約締結を進めています。
でも一番の懸念は、派遣先からのクレームが入り、信用を失うこと。
後任を急いで探さないといけないし、派遣先から「もう派遣は頼まない」と言われてしまう可能性があります。
派遣社員の雇用主は派遣会社。だから、派遣先は派遣会社にクレームをだすんだよ。なので、派遣先から直接何か言われることはないよ。
派遣の内定辞退はそんなに怖くない
派遣のお仕事の内定辞退は、そんなに怖いことではありません。
確かに内定辞退はいいこととは言えませんし、迷惑をかけます。
ただ私たちには「職業選択の自由」があります。
新卒や正社員、パートアルバイトの場合でも、内定辞退は珍しいことではありません。
そして、派遣会社もこのような状況には慣れています。
もちろん内定辞退する際には、当たり前のように横柄な態度は避けるべき。
辞退することを決めたら、誠実さを持って適切な方法で伝えることを心がけましょう。
仕事は日常の大きな割合を占めるよね。相手に迷惑をかけるかもしれないけど、自分にとっての最良を選択するのが、結果的にお互いのためになるよ。
派遣の内定辞退のリスクは3つだけ
派遣先と派遣会社の状況を考えると、ちょっと尻込みしちゃうかもしれませんね。
でも、安心してください。
内定辞退に伴うリスクは、思っているほど大きくありません。
それぞれ解説しますね。
派遣会社から責められる可能性
ひとつは、派遣会社からの反応。
内定後の辞退により、派遣会社は派遣先から信用を失います。
そのため、担当者からたまに厳しい言葉を聞くことがあるかもしれません。
でも、そんなときは「申し訳ないです」「ご迷惑おかけしました」と、冷静に受け長そう。
あまりに酷い言葉をかける担当者とは、仕事をしないほうがいいしね。
仕事紹介がなくなる
内定辞退すると、その派遣会社からの仕事紹介がなくなる可能性は大。
信用を失ってしまうため、最悪の場合、ブラックリストに載ってしまうことも。
ただし、これはその派遣会社に限った話です。
他の派遣会社に内定後の辞退が伝わることはないよ。
派遣会社はたくさんあるから、そこまで心配しなくていいかな。
決定していた派遣先に就職できない
内定が決定していれば、あなたの名前が既に派遣先に伝わっています。
その会社に正社員やアルバイトとして直接応募しても、採用されにくい可能性があります。
この状況に置かれることはレアだと思うので、考えなくてもいいかもね。
スムーズに内定辞退できるポイント3つと連絡方法
内定辞退の理由を伝えるときのポイントは、次の3点です。
- 「仕方ない」「やむを得ない」と思ってもらう
- 派遣会社が派遣先に説明しやすいように工夫
- 相手や仕事を非難しない
これを意識するだけで、穏便で引き止められない内定辞退をすることが可能。
具体的な文面については、次の章で例文を紹介します。
派遣会社は派遣先から「ちゃんと管理してない!」と言われるとグーの音もでない。だから派遣先も「それは仕方ないか」って思えるような理由が必要。
メール?それとも電話?
最初の一報は、メールでも電話でも大丈夫です。
メールの場合、電話がかかってくることがあります。
電話を無視していると長引くし、自分自身もストレスになるので、さっさと話してしまいましょう。
「申し訳ないけど、何を言われても意思は決まっている」と強く気持ちを持ってね。
内定辞退のタイミング
辞退の連絡は、早ければ早いほどいいです。
避けたいのは、前日や当日の内定辞退。
これはかなり大きな迷惑をかけてしまいます。
ただ、いたし方ない状況も出てくると思うので、その場合は誠心誠意お詫びをして、辞退を伝えましょう。
やっちゃいけないのが、バックレ!
派遣会社は安否確認もしないといけないので、無断で辞退は厳禁ですよ。
内定辞退の連絡は気が重いよね。でも「これさえ伝えれば、スッキリする」と割り切って、しっかり対応しよう。
【例文あり】内定辞退の理由5選
内定辞退の理由を5つピックアップしてみました。
前述した次のポイントを考慮して、例文を作ったので参照してみてください。
- 「これは仕方ない」と思ってもらう
- 派遣会社が派遣先に説明しやすいように工夫
- 相手や仕事を非難しない
他社で決定した
よくある内定辞退は、他社での決定。
ただ派遣の場合、一般的には「仕事を受けます」と返事した後は、就活していないと思われています。
そこを考慮して伝え方を工夫しましょう。
OKな伝え方
<例文>
大変申し訳ないのですが、今回のお仕事を辞退させてください。
実は内定が出た後に、他社から自分の条件によくあった(もしくは、より好待遇な)紹介がありました。
とても悩みましたが、私の希望にかなり近いので、そちらの仕事を受けたいと思います。
◯◯社(派遣先)にもご迷惑をおかけし、本当にすみません。
ポイントは「内定が出た後に、より条件のいい仕事紹介があった」だよ。可能なら、具体的にどの部分で満足しているか書いてみて。「通勤が30分圏内」など。
NGな伝え方
すみません、他社の仕事が決まったので辞退させてください。
え、他社を進めているなんて聞いてないですよ!契約書を送りましたよね?
誠意が感じられず、自分勝手な印象を与えてしまいます。
そうなると派遣会社の担当も怒ってしまい、「雇用契約書を送りましたよね!」などオーバーヒートしやすくなっちゃうので注意。
正社員で決定した
他社決定も同様に、「正社員の就活を続けてるなんて知らなかった!」と言われないように伝えるのがポイント。
OKな伝え方
<例文>
大変申し訳ないのですが、今回のお仕事を辞退させてください。
実は内定後に正社員のお誘いがありまして、話を進めてみたら採用いただけたんです。
本当に申し訳ないですが、この仕事は辞退させてください。
◯◯社(派遣先)にもご迷惑をおかけし、本当にすみません。
「急に正社員のお誘いがあった」「以前に登録していた人材紹介会社から、話があった」など突然きたように伝えるといいよ
NGな伝え方
正社員の仕事が決まったので、この仕事ができなくなりました。すみません。
正社員の就活していたんですか!?聞いてないですよ。困ります!
「正社員と派遣なら、正社員を選ぶに決まってるじゃん」と考えるのはわかりますが、丁寧にお詫びをいれるようにしましょう。
派遣会社も正社員なら仕方ないって心のなかでは思うけど、つい責めたくなっちゃうからね。謝罪の姿勢を見せよう。
家族から反対された
家族からの反対も内定辞退の理由としてあげられます。
「事前に相談してなかったの?」って思われないように伝えるのがポイント。
OKな伝え方
<例文>
今回のお仕事についてですが、家族から反対がでてしまい、大変申し訳ないですが辞退させていただけないでしょうか。
派遣先の評判が良くないことを知った(もしくは不祥事がおきた)ようで、そこで勤務することに反対されてしまいました。(※)
NGな伝え方
決定している仕事ですが、家族が働くことに反対してきたので、辞退させてください。
え、事前に相談していなかったんですか?ご家族の反対理由はなんですか?
話が長引く可能性があるので、しっかり理由を伝えるほうがいいですよ。
今の職場で引き止められた
今の職場での引き止めを理由にした内定辞退も、時々起こります。
「あー、仕方ないかもなぁ」と思われるように伝えるのがポイント。
OKな伝え方
<例文>
大変申し訳ないのですが、今回のお仕事を辞退させてください。
実は今の職場から、後任が見つからず業務に大きな支障がでそうで、3ヵ月延長してほしいと打診されました。
切実な状況のようで、時給も大幅に上げるからと、強くお願いされてしまいまして・・
お世話になった上司がとても困っており、かなり迷ったのですが残ることに決めました。
ご尽力いただいたのに、本当に申し訳ございません。
「相手がとても困っていて、強く引き止める理由」を伝えると、説得力がでてくるよ。後任者が急に会社を辞めてしまって、にっちもさっちもいかない、みたいな。
NGな伝え方
やっぱり今の職場に残ることにしました。仕事も慣れているし、時給も変わらないので。すみません。
今さらですか?どうして?
自分都合すぎる理由で伝えてしまうと、派遣会社も派遣先にどう申開きすればいいか悩んでしまいます。
ここは「仕方ない」って思ってもらえるように伝え方を工夫しよう。
働けなくなった
急に状況が変わって働けなくなることもありますよね。
ポイントは、「内定が出た後に起きたこと」として伝えることです。
その場合の伝え方をいくつかご紹介しますね。
OKな伝え方
実は昨日、夫に転勤の辞令がでてしまい、来月から大阪に引っ越さないといけなくなってしまったんです。
「昨日」といったように、予期できなかったことを添えるとよいです。
先日から体調が悪く、病院で精密検査をしたところ◯◯という病気が見つかりまして、通院することになりました。仕事も頻繁に休まないといけなくなるため、辞退させてもらえないでしょうか。
「たとえ勤務しても頻繁に休む」と伝えると、派遣会社も「それはダメだな」って思ってくれやすいです。
実は実家の母が大怪我をしてしまいました。高齢なこともあり、1ヵ月ほど実家で介護をすることになりそうなんです。家族内で調整したのですが、私が適任ということになりまして・・
「調整したんだけど、結果的にダメだった」と伝えると、派遣会社も説得を諦めてきます。
これはやめたほうがいい理由
避けておきたい内定辞退理由もあります。
派遣会社が説得に入ってくる、キツく反応しやすい理由です。
2つご紹介します。
やっぱり希望が変わった
「仕事の希望が変わった」と気持ちの変化だけを理由にすると、自分勝手な印象が強くなるので、あまりおすすめしません。
- もっと時給が高いほうがいい
- やっぱり残業したくない
- 勤務地が遠い
- 英語を使った仕事がしたくなった
本音はそうだとしても、これで断ると派遣会社も派遣先にどう謝っていいか、頭を悩ませます。
できれば避けましょう。
不安になったから辞退する
未経験の仕事や少し希望とズレた仕事だったけどOKをしていた場合、「不安だからやっぱり辞退したい!」となるケースもありますよね。
「不安だ」と伝えてしまうと、派遣会社から説得されてしまう可能性大。
「とりあえず初回の契約で様子をみませんか?」なんて言われることも。
本当に辞退したかったら、別の理由がいいと思います。
ただ、本当に不安でどうしようか迷っているのであれば派遣会社に相談してみましょう。
嘘はよくないんだけど、本音が最善とは限らない。相手(派遣会社・派遣先)が「仕方ない」と思える理由がいいと思うよ。
派遣会社がこんなことを言ってきたら?
内定辞退を伝えたとき、どんな理由でも食いかかってくる担当者に出会うこともあります。
辞退しないように、次のようなことを言ってくることがあるんです。
- 「今さら辞退できない」と脅す
- 「雇用契約を結んだよね?」と脅す
- 「初日だけ来て!」「初回契約だけでも!」と無責任なことを言う
- 「断わるとこの業界で働けなくなるよ?」と脅す
結論、上記は全部気にしないでOKです。
内定辞退は違法じゃないし、派遣会社が内定辞退を拒否できる権利はありません。
仮に雇用契約を結んでいても、勤務開始前なので「退職」ではなく「雇用契約の解除」です。
解除したからといって損害賠償を求めてくることは、基本ないと思います。
正社員募集ですら、よほどのことがない限り、損害賠償を請求するほどのケースは稀。
また、個人情報を他社に勝手に伝えるのは違法なので、「業界で働けなくなる」もウソ。
ただ、必要以上に担当者を怒らせてしまうと、面倒なことが起きてしまいやすいので、謝罪の姿勢は忘れないでね。
上手く断るコツ
しつこく内定辞退を思いとどまるように言ってくる派遣会社をかわすコツは2つです。
- 「仕方ない」「やむを得ない」理由で断る
- 何を言われても「申し訳ない」で押し通す
正直なところ、なにがなんでも内定辞退を引き留めようとする担当者はレア(よほどの事情がない限り)。
派遣会社は内定辞退には慣れているし、仮に丸め込んだとしても「すぐに辞める」「急に出社しなくなる」「初日に現れない」などのリスクがでることを恐れています。
派遣の内定辞退でよくある質問
派遣の内定辞退でよくある質問をいくつかご紹介します。
送られてきた雇用契約書はどうすればいい?
派遣会社が何も言ってこない限り、内定辞退を伝えた後は破棄して問題ないです。
初日だけどやっぱり行きたくない
無断欠勤は避けて、メールでもいいので断りの連絡を入れましょう。
電話はかかってくると思いますが、しっかり理由と謝罪を伝えます。
とにかく謝って、辞退しよう。それしかない!
他社と同時並行中。内定承諾すべきか迷う
できれば内定承諾せずに、待ってもらうほうがいいでしょう。
内定承諾してしまうと、あなたの入社に向けて準備が始まります。
派遣会社に相談して、いつまで待てるか聞いてみてください。
内定の返事はどのくらい待ってもらえるの?
派遣先の意向によります。
よくあるのは次の3つのパターン。
- どうしてもあなたに来てほしいから、待つ。
- 数日なら待ってもいいけど、それ以上はNG。
- 次点候補者がいるので、内定取り消し。
どれになるのかは、内定辞退を伝えてみないとわからないんです。
とりあえず、派遣会社に相談するのが一番!最終的には、内定が出ている仕事を失ってもいいかどうか、リスクを自分で決める必要はでてくるけどね。
バックレるのはやっぱりダメ?
絶対にやめたほうがいいでしょう。
派遣会社からしつこく電話がきます。(安否確認もあるので)
バックレると次のような迷惑がさらにかかります。
- 急いで再募集しないといけない
- 入館証やアカウントなどの取り消し
- 引き継ぎができずに、業務に大きな支障が
入社が決定していると、派遣先にも名前が伝わっているよ。自分の名前が出た状態で、バックレることを選ぶか考えてみて。
次の仕事は決まってないけど、この仕事はやっぱり辞退したい!
早めに辞退しましょう。
ただ、次の仕事が決まっていないと言ってしまうと、説得される可能性があります。
「仕方ない」「やむを得ない」を念頭に理由を考えてみてください。
あと、今の派遣会社からの仕事紹介はなくなるので、対策もしてくださいね。
まとめ
- 派遣の内定辞退するポイントは、「仕方ない」「やむを得ない」を意識する
- 謝罪の姿勢が大事。派遣会社を必要以上に逆なでしない
- 今後は仕事紹介が受けられないリスクは受け入れる
- 内定辞退は早めにやるほど良い
派遣でも内定辞退はできれば避けたいところですが、仕方ない理由はあるものです。
この記事で紹介したことを参考に、お断りの連絡を入れてみてください。
内定辞退の連絡が気が重いですが、自分を責めすぎずに「就活していればこんなこともある」と冷静に受け止めてくださいね。
応援しています!