転職の面接準備、対策本を読んだり、ネットで拾った面接での質問への回答を考えたりしますよね。
それも悪くないのですが、根本となる土台作りをしっかりしておくと、想定外の質問がきた場合でも落ち着いて答えることができます。
逆に、「模範解答を覚えてきました」と言わんばかりに回答を暗記しているのは、面接官にバレバレだったりすることも。
「新卒の時と同じ」と思って面接対策しないこと
中途採用と新卒採用の違いは、何といっても仕事の経験と実績!
新卒は、ポテンシャルで採用しますが、中途は、仕事での経験や実績が見られます。
なので、同じように面接対策をしてはいけないのです。
転職が初めての人にとっては、初めての面接対策と言っていいほど。
転職は初めてじゃないけど通らない!という方は、対策に問題があるのかもしれません。
転職初心者がやりがち「大まかすぎる職務経歴書」
新卒のときになかった書類が、職務経歴書。
中途採用の面接は、この職務経歴書を軸に面接が進んでいきます。
履歴書は、ヌケモレと虚偽がなければいいのですが、職務経歴書は入念に作り込む必要があります。
そこで、転職初心者さんがやってしまうのは、詳細がわかりにくい職務経歴書を作ってしまうことです。
職務経歴書では、企業にあなたはどんな事ができる人で、どんな実績を上げてきたのかを伝えなければいけません。
書類審査に通っているので、会いたい人物であることは確かです。
けど、職務経歴書を面接で読み上げるだけはNG。
大げさかもしれませんが、書いてあることの10倍は説明できるよ?ぐらいにはしておきたいところ。
「あ、この経験あるんだ。もっと話を深く聞きたい」
と面接官は考えています。
その期待に応えられるように、頭の中の職務経歴書は細かく書かれているほうがよいのです。
アピールもしなきゃですしね。
経験の棚卸しをしないでで面接に突撃
面接では、職務経歴書以上のことを知りたいので、あなたの経験について深い&広い話になります。
なので、自分自身の経験をしっかりと思い出して、整理しておくことが重要。
聞かれた質問に対して、あいまいな回答や口ごもってしまうと、「本当にこの経験あるのかな?」と不安な印象を与えてしまいます。
面接官は、やっぱり人を見抜くプロです。
面接官になる人は、人事担当者だけではありません。
現場の責任者や役員も参加しますし、責任ある立場の人達は、採用面接以外でも多くの人と接しています。
場当たり的な対応は、すぐに見抜かれると思っていい。
また、想定外の質問が来たりした場合に、回答ができず、自分のアピールができずに終わってしまうことも。
でも、「自分のことで、覚えているから大丈夫!」とたかをくくって、緊張で思い出せなかったり、相手に伝わらない言い方をしてしまうのは残念だよね。
土台を作ったほうが効率的
「面接対策だ!」と面接本にある質問にいきなり回答をしていくのは、ちょっと待って!
後のことを考えると、基礎となる土台作りに時間をかけることを本気でおすすめします。
理由は3つ↓
面接には種類がある
面接の種類というのは、集団面接とかディスカッション式とかそういうものではありません。
「候補者の何を知りたいか」で面接方法が変わるというもの。
普通の面接だと、志望動機や今後やりたいこと、退職理由やこれまでの業務についてなどを聞かれます。
ただ、それだけではないんです。
企業によりますが、あなたの価値観やコミュニケーションスタイル、どうやって問題を解決する人なのかをチェックする面接をします。
そうゆう面接は、回答を用意しておくのが難しい質問をなげかけてくるんです。
あと、違う質問なんだけど知りたいことは同じ、といったような複数の質問で、応募者の回答にブレがないかもチェックされます。
なので、「自分の振り返り」をしないで挑むと、用意していなかった質問に戸惑ったり、内容が二転三転して、相手に不信感を与えてしまいかねません。
自分の振り返りがしっかりできていれば、このような面接にも対応できます。
もちろん対応できたからといって必ず合格するわけではありません。
納得のいく面接であっても、企業が求める人物とは違えば「ご縁がなかった」という結果に。
でも、「準備さえしていれば!」といったような後悔は少ないはずです。
ちょっと難しい専門用語だけど、コンピテンシー面接、構造化面接、みたいな手法があって、会社によっては取り入れている面接手法なんだよ。
効率的に対策できる
最初に自分のキャリアの棚卸しをしたほうが、面接対策は効率的です。
面接対策は、受ける企業によってアピールポイントを変える必要があります。
同じ業界・職種であっても、企業によっては「求める人材のスキル・経験」で必須・尚可がビミョーにちがうことがありますよね。
また、会社の方向性も異なります。
自分のどの経験を一番アピールしたほうがいいのかを企業によって微調整をしたほうがベター。
その時に、棚卸しした自分のキャリアを見ながら、近い経験を探して、エピソードを改めて考え直せたりするので、面接対策が効率的に行えるんです。
頭の中が整理されていないと、「あぁ、もうめんどくさいっ!出たとこ勝負!」ってことにも。。
でも一度、自分の業務を棚卸ししておくことで、すっと対策に入れるんです。
転職での失敗を減らせる
転職の失敗といえば・・
- 会社がブラックだった
- 思っていたものと違う業務だし、社風も合わないかも
- 業務がなんか合わなくて成績、成果が残せない・・
ですよね。
スーも経験ありますよ。
「あれ、なんか違うな」って。
で、試用期間で潔く退職しました。
また転職活動か・・と後悔しましたよ。

企業が隠していることもあるので、絶対失敗はないとはいえないのですが、自分に起因する失敗は減らせます。
自分に起因する失敗って何かというと、
どんな仕事が自分に合っているのかを認識していない
ことです。
スーの場合、新卒で営業職についたので営業系の仕事しかできないと思いこんでいました。
でも、嫌いだったんです、営業。
なのにブラック体育会系な会社に営業として就職。完全な黒歴史です。
自分のことをもっとちゃんと知っていれば、防げただろうなと今は思います。
みなさんも、得意や苦手、好き・嫌いが経験の中であったと思います。
- 営業寄りの仕事が好き
- リーダーや管理職になりたい
- 決められた仕事をきちんとする方が好き
- アイディアを出して、試行錯誤が好き
- 数字の分析が得意
振り返り作業をしていると、仕事をしていたときの気持ちも一緒に思い出されるので、望む仕事が絞れてきます。
仕事って、就いたあとが大事じゃないですか?
しっかり考えた上で「やってみたら、なんか違う」なら勉強と言えますが、「とりあえず、待遇がいいから」で就職すると、転職先で成果を出せなくて評価されないことも。
じっくり自分と向き合う時間をとることで、次に何を望むか自然とわかってくるよ。
【面接の準備】土台の作り方
面接の土台作りとしてやりたいのは、3つのことです。
- 「過去の経験」の洗い出し
- 「自分の特徴」を具体的にする
- 「今後どうしたいか」を決める
正直、時間がかかります。
でも、後々が楽になるし、仕事の応募・スカウトが来ない対策から面接まで役に立ちます。
では、それぞれ説明しますね。
「過去の経験」の洗い出し
まずは、過去の経験をしっかり書き出します。
これは、どんな面接の対応にも役立ちます。
- ブレストのように、なんでも書き出しておく
- 複数社で経験があれば、会社単位で書く(できれば部署ごと)
所属部署のこと
- 所属していた部署が、会社でどんな役割をになっているところか
- メンバーの人数
- 組織体制(簡単な組織図書いてみて)
自分の担当業務
自分の担当業務のことについて書きます。
「数値を入れる」を意識してみてください。
例えば、月に100件の問い合わせに関するデータを入力、といったような。
数値で書きだしておく理由は、数値を伝えると説得力が増すから。
あと、どの程度の業務量をしてきた人なんだろう、というのは企業も知りたいから聞いてくる可能性があります。
もし、同じ部署内で途中で業務変更した、などがあれば時系列で変更がわかるようにしておきます。
使っていたツール
仕事で使っていたツールを書き出します。用途も入れましょう。
- Excelやパワポなどのマイクロソフトオフィス(使っていた関数や機能も書く)
- セールスフォースなどのクラウド系ツール
- 弥生会計やSAPなどのクラウドじゃないツール
責任の範囲
責任の範囲とは、管理職やチームリーダーといった役職がひとつあげられます。
マネジメントに関わっていなくても、小さなチームで取りまとめていた、などがあればそれも書き出しておきましょう。
リーダー職の経験がなくても「この仕事の責任は任せられていた」と思うのがあれば書き出しておいて。
成果
仕事で出した成果を書き出します。
謙遜せずに、どんどん書いてね。
- 新しいプロジェクトに取り組んで、無事に安定稼働させた
- 業務マニュアルを完成させ、新人研修の効率化とミス削減に貢献
- 社内の表彰を3度受けた
- 商品アイディアを出し、2回採用された
- 前年比30%増の受注を獲得した
「自分の特徴」を具体的にする
自分の特徴とは、どんなことが好きで嫌いなのか、何が得意で不得意か、を知っていく作業です。
ここを自分でわかっていないと、不得意な仕事に就いたり、合わない環境に身を置く危険が!
好き・得意だったことを書き出す
まずは、好きと得意を具体的にしてみましょう。
- 仕事の中でどんな業務が好きでしたか?
- どんな人間関係でする仕事が心地よかったですか?
- どんな役割が好きでしたか?
- 入力作業を完璧にこなすのがいい
- 効率化を考えて、試行錯誤する仕事が好き
- みんなと分担しながら仕事が楽しかった
- 一人で完結できる仕事が好き
- リーダーにやりがいを感じた
- プレーヤーとして動いていたい
書き出した上で、ちょっと考察してみましょう。
業務の考察
- 決まった作業をする方が好みかな
- アイディアを出しながらできる仕事がいい
- クライアントと交渉して、成果を出す仕事にやりがいあるな
- 誰かをサポートする業務が得意かも
- いろんなものを調整する役目があっている
環境の考察
- 集中できる環境が好きみたいだ
- みんなと協力しながらするほうがいい
- ひとりでやりたい
役割の考察
- リーダーは嫌いじゃない。得意かも
- 人の上に立つのは苦手
- 誰かを管理するのは嫌だけど、仕事は任されていたい
苦手・嫌いを書き出す
好きなことだけを書き出しても不十分です。
「嫌い・苦手」を意識するってとっても大事。
- どんな業務が苦手、得意でしたか?
- どんな環境が合わなかったですか?
- どんな役割をしたくないと感じましたか?
- ルーチンワークは苦手だ
- Excelは使えるけど、駆使して分析するのは嫌い
- 営業が嫌だった。お客様と交渉するのが苦手
- 部下の面倒みるのは正直、めんどうと感じた
- 指示を待たないと動けないポジションはいやだ
これも同じく、考察をしてみましょう。
- 単調作業は苦手みたいだ
- チームワークで動かないといけない環境は苦手
- 管理職やリーダーはしたくない
- OAスキルがないし苦手だ
- 誰かと交渉するのはいやかも
- 黙々と静かな環境は息苦しい
問題をどう解決するタイプ?
仕事の中で問題が起きたことは、誰しもあると思います。
仕事って課題を解決することが多いですからね。
そんなトラブルや課題が出てきたときに、どう解決したでしょうか。
ちょっと苦しい経験を思い出す人もいるかもしれませんが、具体的に思い出して書き出してみてください。
課題やトラブルにどう向き合う姿勢があるのか、ストレス耐性はどうか、というのを面接でチェックされることがあるからです。
トラブルまたは課題の内容:
解決策(もしくは予防策):
自分なりの考察:
どんな風にコミュニケーションを取るタイプ?
会社はひとつのコミュニティです。
大勢の人がいて、いろんな立場や役割の人が同じ目標に向かって動いていますよね。
ひとりでは完結できないことをしているのが会社です。
なので、どんな人間関係を築く人だろう、ということに関心がある企業は多いもの。
どんなに経験やスキルがマッチしていても、社風に合わなかったり、既存メンバーとタイプが違いすぎると、業務がうまくいかないこともあるんです。
なので、「あなたは人柄?」みたいな質問をそれとなく聞いてきます。
- リーダータイプで、チームをまとめ上げるのが好き
- 自分の意見はしっかり言う
- サポートが好きで、チームがうまく回るような役割を担っていた
- マイペースなんだけど、チームワークを乱すようなことはしない
- ムードメーカー的な存在になることが多い
仕事における自分の立ち位置を振り返ってみましょう。
どんなタイプも良い悪いはありません。
全員リーダーでもチームはまとまらないし、サポート役ばっかりいても進みません。
改めて、自分はどんなタイプなのかを考えてみてください。
「今後どうしたいか」を決めよう
過去の振り返りと自分の特徴がわかってきたら、次は今後どうしたいかを決めます。
転職を考えているくらいだから、とっくに決まっているかもしれませんね。
でも、ここは面接の対策として改めて書き出しておきましょう。
「これからどんなキャリアを望む人なのか」
ということも、面接で聞かれることは多いです。
キャリアプラン
その会社に入って、何を目指すかということですね。
- 管理職になりたい
- スペシャリストになりたい
- ○○業務でキャリアを積みたい
- チーム力を上げる原動力となって、成果を出せる人になる
「〇〇ができる人」で採用が決まるのは、派遣社員やパート・アルバイトです。
会社によりますが、正社員や契約社員の場合は、何をしていきたい人なんだろう、そのビジョンと当社は合致するのか、本人の志向と募集ポジションにズレはないかを面接官は知りたいのです。
ただ、自分の本音に嘘をついて印象が良くなるように話してしまうと、入社後が大変。
なので、自分のほんとうはどうなりたいかを知って、どう伝えれば「雇いたい」って思うかを考えていくほうがベター。

身につけたいスキルや資格
今後、身につけていきたいスキルや取得したい資格、経験したいことも書いておきましょう。
「〇〇という業務に興味がある」
ぐらいでも構いません。
まずは、自分の内側を知ることが大事。
面接は、ジャッジされる場だけではなく、あなたが身を置くのにふさわしい会社なのかをチェックする場でもあるんです。
仕事とプライベートのバランス
仕事優先なのかプライベート重視か、それともほどよくバランスが取れるところがいいのか、それも書き出しておいてください。
もしかしたら、本当はプライベート優先なんだけど、しっかり経験を積んでたくさん稼げるようになりたいから、最初は仕事優先という場合もあると思います。
子育てや介護、自身の健康などプライベートで絶対譲ることができないものもあるでしょう。
そこを踏まえて、どんなバランスが理想なのかを考えてみる。
「大事にするもの」を先に決めておかないと、「諦めるもの」を選べなくなって、不幸な転職になりかねません。
趣味が大事なら、趣味を優先でもいいんです。
全てを優先することはできませんから、優先順位をつけた上で仕事を選ぶようにします。
なぜ面接対策の土台づくりでこれをするかというと、面接で初めて知ることってすごく多いんですよ。
会社の雰囲気とかどんな人が働いているのか、業務の詳細や役割などについて面接で知ることができます。
人材紹介会社を通しても、仕事や企業風土の詳細まではわからないんです。
「自分に合った会社か」というジャッジを下すためにも、自分の選択基準をしっかりもっておきましょう。
自分で見つけられない仕事もエージェントなら探せる
自分の棚卸しをしてみると、応募していた求人や面接に進んだ会社が「なんだか違うかも」って思うことがあります。
でも、それは悪いことではなくて、長い時間を過ごす場所と業務をしっかり選べる準備が整ってきた証拠でもあります。
自分のやりたいことや環境、理想の仕事が決定したとして、それを探すのがまた大変になってきますよね。
転職の場合、タイミングの問題もでてきます。
いつ企業が募集をかけるかは、タイミング次第。(多く求人がでる季節はありますが)
自分で探すことを念頭にしながらも、人材紹介会社に登録をしておくことをおすすめします。
求人広告は、見逃す可能性がある
今、人手不足なので求人広告ってかなり掲載されるんですよ。
検索条件を入れてもものすごくたくさん出てくることがあります。
探すのがとにかく大変。
あと、求人広告って掲載期間が決まっているので、今日で掲載おわり!みたいな案件もあります。
別の日に探したら新しく掲載されてた、もあるので探すのって本当に大変。。
なので、求人広告だけで探すと見逃す可能性があるんです。
人材紹介会社は、非公開案件を持っている
人材紹介会社は、たくさんの非公開案件をもっていたりします。
非公開というのは、求人広告に出していない案件ですね。
会社のホームページにも掲載されていないことすらあります。
- 求人広告を掲載すると、条件に合わない応募者もたくさんきて対応が大変
- 社内でもシークレットな募集(退職がまだ周知されていないとか)
- 一人しか募集しないので、エージェントを利用したほうが経済的
- 広告を出しても応募がない
自分の希望にあった、そして応募できる会社を紹介してくれる
人材紹介会社にはコンサルタントがいて、あなたの希望と企業の案件をマッチさせてくれます。
自分が希望しても、相手の条件に合わないことも残念ながらあります。
応募結果がなかなか来なくて、やきもきしたり、時間だけが過ぎていくのも辛いもの。
人材紹介会社に依頼すると、最初の壁は乗り越えていることが多いので、書類選考に通りやすい企業に出会えやすいです。
人材紹介会社も『信用』が大事なので、全然マッチしない人材を企業に紹介しないし、あなたの希望から全くそわない案件を無理に紹介してくることはしなはず。
希望にそわない求人ばっかりを紹介するエージェントは、見切りつけてよし!
全国対応の最大手 リクルートエージェントにまずは登録を
リクルートエージェントは、人材紹介の最大手です。
こちらは、登録を検討してみてください。
かなりの企業と取引がありますし、実績もあります。
スーの弟も登録したのですが、職務経歴書が未完にも関わらず、直ぐに電話がきたという前のめりな感じではあります 笑
自分で探すときは、リクナビNEXT
とりあえず登録して、自分で探したいよという人はリクナビNEXTが鉄板ですね。
新卒の就職活動でもお世話になった方は多いはず。
中途採用でも最大手です。
ほかにもマイナビエージェントなどあります。
まとめ
- 面接への対策は、まずは自分の見直しが大切
- いきなり質問例などに回答していると、予期せぬ質問で慌ててしまうことも
- 過去のこと、自分のこと、未来のことを時間をとって、探ってみて
- 面接は、自分だけがジャッジされる場ではないです。あなたも企業をジャッジしないと良い転職にはなりません
- 求人は溢れている。公開されていないものもあるので、人材紹介会社に登録するのもおすすめです。
